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ドーナツが売れない!移ろいゆく嗜好に自由主義経済の残酷さを想う

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最終更新 2021.11.3 2018.8.31

ようこそ(^^)/

人生を豊かに生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。

さて、最近私の住む街のミスタードーナッツが閉店しました。

そういえば、この頃はミスタードーナッツに行っていないし、CMもあまり流れていないなあと思っていました。

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そこで調べてみると、ドーナッツ業界にとんでもない事態が発生していることがわかりました。

本日は、ドーナッツを通して、消費者の移ろいゆく嗜好の残酷さについて、考えてみます。

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1 ダスキンの経常利益

ミスタードーナッツの経営母体は、ダスキン事業部です。

清掃業、レンタル業だけでなく、食生活の欧米化をにらんで、1971年にミスタードーナッツの国内運営権を入手したのは、すばらしい先見の明があったと思います。

現在は、ダスキン全体の27%までを占める経営の柱に成長しています。

この間、中国から輸入したパンダ饅頭の食品衛生法違反への対応のまずさなど一部失敗がありましたが、順調に業績を伸ばしてきました。

しかし、この数年売上高は伸び悩み、また、営業利益は3年連続の赤字となっていて、日本人のドーナッツ離れが顕著となっています。(フード事業セグメントのみ)

       売上高  営業利益(百万円)

2014年3月期 47,027  △ 410

2015年3月期 48,295  △ 201

2016年3月期 44,017  △ 1,469

2017年3月期 40,163  △ 684

2018年3月期 37,624    356

(ダスキンIR資料より)

年々営業利益が減少し、なんと4期連続赤字です。

5期ぶりに黒字転換となりましたが、年々売上高は減っています。

大変なピンチです。

ダスキンの株価も2017年からほぼ動いていません。

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(引用:ヤフーファイナンスHP)

2 異変その1 ポイントカードの突然の廃止

私がミスタードーナッツを利用し始めた頃は、ちょうど子供も保育園や小学校低学年の時期で、子供向けの様々なグッズが欲しかったからです。

ポンデライオンなどとても愛くるしく、ぬいぐるみや弁当箱、タオル、シートなどが欲しくて足げ良く通い始めました。

↓出勤前食器戸棚を探したら次々ミスドの交換品が出てきました。物持ち良すぎです。

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しかし、ある日、月に1回ほど定期的に開催していたドーナッツ100円均一セールを止めてしまいました。

これは、飲み会の帰りなどに家族へのお土産として買っていたお父さんには大打撃でした。

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知らなかったです。もっと宣伝してほしかったと思います。

続いて、ある日突然ポイントカードを止めてしまいました。

これには衝撃でした。

もうグッズは手に入らないのかと思うとなんだか馬鹿らしくなり、自然と足が遠のきました。

3 異変その2 セブンドーナッツの進撃

数年前から、コンビニの巨人セブンイレブンでは、100円で挽きたてのレギュラーコーヒーが飲めるセブンカフェを始めて大ヒットし、今に至っています。

続いて、セブンドーナッツを始めました。

これが初めて見た人はびっくり仰天したかと思います。

ミスタードーナッツのオールドファッションとそっくりでした。

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意匠登録しているわけでなし、欧米には一つの型としてあるドーナッツですし、法的に何の問題もありませんが、なんだかなあという印象がありました。

しかし、見た目が同じで、挽きたてのコーヒーも100円であれば、便利なセブンイレブンに客は流れます。(味は微妙に違います。)

ポイントカードや100円均一を止めたこと、コンビニドーナッツという強力なライバルが出現したことが、一気にミスタードーナッツの売り上げを減らしたと管理人は考えています。

4 店舗減少の衝撃

ミスタードーナッツの店舗展開は、直営ではなくフランチャイズチェーンです。

フランチャイズの良いところは、宣伝費や商品の製造から販売に至るまでのノウハウ(ロイヤリティ)が込みなので、開業すればすぐに一定の客層が確保できることです。

業績が右肩上がりであれば、ロイヤリティ料を吸収しても維持できますが、問題は売り上げが減少したときです。

ミスタードーナッツのロイヤリティ料は、管理人はわかりません。

一般にロイヤリティ料は、固定費+売上総利益の10~30%といわれています。

売上総利益から、10%~30%もカスリとられてしまいます。

売り上げが落ちれば、オーナーの負担は高くなり、売り上げが回復しなければ、廃業するしかありません。

2014年度全国に1,335店舗あったミスタードーナッツは、不採算店を閉店し、2017年度には1,086店舗にまで減少しています。

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5 ドーナッツ業界の異変

しかし、ミスタードーナッツの売り上げが下がったのは、何もミスタードーナッツに限ったことではありません。

2006年に遅れて参入したクリスピークリームドーナッツもまた、売り上げに苦しみどんどん店舗を閉鎖しています。

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また、セブンドーナッツを始めとしたコンビニドーナッツのブームも去り、売り上げは減少しています。

6 糖質制限ダイエットの出現

なぜドーナッツが売れなくなってしまったのか?

その理由は日本人の健康志向にあると管理人は見ています。

糖質制限ダイエットの大ブームです。

ドーナッツは糖質の固まりであり、なおかつ油で揚げるドーナッツは、カロリーが高いので、ダイエットに関心の高い人からは、敬遠されます。

考えてみれば、小麦100%で、油でこってり揚げたドーナッツのカロリーはとても高いです。

オールドファッションは、1個当たり328kcalとカップヌードルとほぼ同じです。

7 これからの道

もちろん企業は、生き残りをかけるために必死です。

今後の展開として、ダスキンは次の対策に打って出ようとしています。

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1 アイスクリーム事業への展開

油の塊ともいえるドーナッツを真夏に敬遠する人は多いと思います。

そこはダスキンは大企業ですので、次の一手を考えています。アイスクリーム産業への進出です。

アイスクリーム事業はほぼサーティワンアイスの独占で、私の価値観からするととても高いです。競合他社出現で、価格が下がれば消費者にとってはとてもありがたいです。

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ところが、サーティワンも赤字が続き、苦しんでいます。

アイスクリーム業界も甘くはありません。

B-R サーティワンアイスクリームの2015年12月期が、1975年度以来、実に40年ぶりの最終赤字に転落する可能性が浮上してきた。夏場の天候不順、コンビニエンスストアに需要を食われたことなどにより、既存店売上高が5期連続で前年割れ。原材料の高騰、新工場稼働に伴う償却負担増も、採算を圧迫する。

toyokeizai.net

2  製造店舗と販売店舗の差別化

実はミスタードーナッツは、ドーナッツはすべて店舗で作りたてを製造販売するのが売りです。

しかし、人件費や施設整備費のコストがかかるのがネックでした。

そのため、地域に核とする製造店舗を作り、近隣地域の店舗に下ろすというセントラルキッチンを目指すこととしています。

セントラルキッチンは、ファミリーレストランでは経費を抑える一般的な手法であり、コスト削減には効果があるものと考えられます。

ただし、もろ刃の刃で、作り立てを楽しみにしている固定層が離れる可能性もあります。

3 テイクアウト専門店(Mister Donut to go)の展開

続いての秘策が、テイクアウト専門店の展開です。

通常の大きさより2/3の大きさのドーナッツの販売です。

大きさを小さくすることで、一律100円で販売でき、リーズナブル感を出そうとしています。

今後5年間で200店出店予定です。

4 からだににじゅうまるシリーズの販売

カロリーを減らした豆乳ホイップドーナッツや脂質を減らしたオイルカットドーナッツなど健康志向のドーナッツの販売です。

これが一番期待されています。

糖質制限ダイエットブームとも相まって期待できます。

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8 消費者は常に移ろいゆく生き物である

「不道徳な見えざる手」というなんとも不気味なタイトルの本が、2017年5月に発売されました。

しかし、著者はなんとノーベル経済学賞受賞者です。

この本は、移ろいゆく消費者を表現は悪いですが、カモにしてだまして売ろうとする釣り師(企業)との間で自由主義経済は成り立っているという衝撃の書です。

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決して、ミスタードーナッツを釣り師とはいっていません。

企業はモノを作り、あの手この手で、消費者に買ってもらわなければ、企業は存続できません。

消費者はモノを見る正しい目(リテラシー)を持つように警告する書です。

オススメです。

消費者は、企業を救うために存在していません。

消費者は自由主義経済の中で、移ろいゆく嗜好や流行のままに、モノの購入を選択します。

消費者の商品選択は、残酷です。

企業はそうした消費者の嗜好=ニーズに合わせて、常に商品開発を行い、生き残っていかなければならない宿命です。

明治のカールもこの論理で消え行こうとしています・・・。

ブログに愛と真の情報を

それでは