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お金を貯めることを通じて、人生を豊かに生きるヒントをアツく語る当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、最近ベーシックインカムという言葉を聞いたことはありませんか？
究極のバラマキ政策です。
赤子から寝たきり老人まで、あまねく国民全員に月に11万円年間133万円を支給するというものです。
一体財源はどうするの？
一体これまでの社会保障はどうなるの？これからはどうなるの？
疑問符ばかりのベーシックインカムについて、考えてみます。
未来を作るのは私たちです。
- １ ベーシックインカムとは
- ２ ベーシックインカムの理念や理屈はわからないわけではない
- ３ ベーシックインカムに要する経費
- ４ ベーシックインカムの経費をひねり出す方法
- ５ 人は楽な方に生きる生物である
- ６ まとめ
１ ベーシックインカムとは
ベーシックインカムとは、基本所得保障とも訳され、国家がすべての国民に最低限の生活保障を行う制度とされ、世界的に検討が始まっています。
ただし、国家単位で実施している国は、全世界でまだ1国もありません。
2016年6月スイスでベーシックインカム導入の可否を問う世界初の国民投票がありました。
その結果67％もの国民の大反対により否決されました。
スイスでは、大人は一律2500フラン（月27万円）、子供は625フラン（約6万8,000円）を配ろうとしましたが、収入がある人は差し引いた額を支給する法案であったこともあり、実に国民の2/3が反対でした。
スイスが５日実施した国民投票で、すべての住民に無条件で毎月一定額を支給する「最低生活保障（ベーシック・インカム）」の導入が否決されることが確実になった。
最低生活保障を導入する代わりに年金や失業手当を廃止する提案だったが、財源不足や国民が働かなくなることへの不安が強かったもようだ。
スイスは世界でも指折りの富裕国で、以前も時給2,500円の是非を問う国民投票があり、反対多数で否決されました。
スイスで18日、時給22スイスフラン（約2500円）の最低賃金を導入することの是非を問う国民投票が行われ、76.3％の反対多数で否決された。導入されれば世界最高の最低賃金となるはずだった。
また、現在フィンランドで試験的なベーシングインカムを実証中です。
2017年1月から失業者の中から2,000人を抽出し、月に68,000円を2年間支給し、効果を検証中です。
2,000人の人は、国から2年間で1,632,000円ももらえるなんてラッキーです。
２ ベーシックインカムの理念や理屈はわからないわけではない
理屈ではベーシックインカムは、管理人もわからない話ではありません。
福祉に関するさまざまな制度（生活保護、年金、児童手当、医療助成など）をベーシックインカムで一気に解消しようとする考え方だからです。
ご存知の通り、福祉は国が支えなければ成り立たないので、さまざまな制度を作ってきました。
代表的な福祉政策は生活保護制度であり、生活困窮者に対しては月に10数万円の生活保護費を支給しており、すでにベーシックインカムは導入しています。
しかしながら、その審査や制度維持には膨大なコストがかかっています。
また、年金制度も、すでに支給と需給のバランスが崩れ、支給世代だけがものすごく得している制度となってしまい、極めて不公平です。
厚生年金の場合、70代以上は掛け金の5倍の年金が受給できるのに、20代は掛け金の2.3倍の年金しか受給できません。
ベーシックインカムで国民に等しく支給してしまえば、膨大な事務量や人件費は解消できるし、世代間や制度間の不公平感は一掃されます。
また、富裕層は、ベーシックインカム分をストックする必要がないことから、消費が拡大し、経済が活性化することが期待できます。
ベーシックインカムで国家財政の不安まで解消でき、めでたしめでたしです。
果たして本当にこれで解決となるのでしょうか。
重大なことが抜け落ちています。
３ ベーシックインカムに要する経費
国民1人当たり11万円を支給するとした場合、その費用はなんと133兆円になると試算されています。
国家予算は90兆円前後ですので、ベーシックインカムを実現するためには実に国家予算の1.4倍の予算が必要となる計算となります。
現時点において、ベーシックインカムは夢物語です。
あのビルゲイツ氏でさえ、まだ早いと主張しています。
４ ベーシックインカムの経費をひねり出す方法
しかし、ベーシックインカムを推進する人たちは、へこたれません。
社会保障費だけでなく、年金廃止、そして公務員給与を大幅カットすればできると主張しています。
公的年金は、年間約50兆円です。
また、国家公務員数は約30万人、地方公務員数は約270万人です。
国家公務員数が極端に少なく見えるのは、中央省庁改革で、独立行政法人や独立大学法人に移行したためです。
計300万人に平均600万円の年間給与を支払っているので、人件費は18兆円となります。
もし半額にしたとしても、9兆円の削減にしかなりません。
しかし、年収600万円の人を年収300万円にすることはありえません。
暴動が起きます。
サボタージュが発生します。
勤怠が発生します。
治安が悪くなり、賄賂社会、暴力社会になっていきます。
そして、これらの財源を合わせても59兆円にしかなりません。
国民にあまねく毎月11万円支給なんて不可能です。
５ 人は楽な方に生きる生物である
それでも、ベーシックインカム派は主張します。
月11万円の支給を受ければ、働く必要がないという論理で、仕事に従事しない人が増え、生産力が著しく落ちる可能性があります。
しかし、ベーシックインカム派は、むしろ11万円を増やそうと働く意欲が湧き、働くはずだと主張します。
人間は根源的にアリかキリギリスかという問題となります。
管理人はどうしても、支給を受けたらますます働く意欲が湧くという論理には賛成できかねます。
管理人は、リアルに東日本大震災を経験し、被災した人々の姿や情報をつぶさに見てきました。
被災者1人当たり平均450万円が支払われ、地元の歓楽街S市「国分町」は空前のバブルとなり、貴金属は飛ぶように売れ、パチンコ店は大繁盛でした。
地元ニュースで衝撃的だったのは、生活保護受給者が義捐金による一時所得で、かなりの受給者が生活保護対象から外れたことです。
この義捐金を元に、生活を立て直せるかの社会実験のようなものです。
しかし、数ヵ月後の統計は、生活保護受給者がむしろ増えたという報道でした。
つまり、宵越しのお金は持てませんでした。
バブルのお金は、バブルのように消えてしまったということです。
杜子春そのものです。
汗水を流し、自らの労働で得たお金と国から支給されたお金とでは使い方が違うというリアルな結果となった訳です。。
ベーシックインカムで支給すれば、当然その後の社会保障は一切ありません。
性善説の名の下にベーシックインカムの推進を主張する方は、現実の人間の行動までは理解していないとしか言いようがありません。
管理人は東日本大震災で、人間という生物の本質を見たような気がしています。
６ まとめ
いかがでしたか。
ベーシックインカムの発想自体は、すばらしいものだと思います。
それはビルゲイツ氏やフェイスブックの創始者マーク・ザッカーバーグ氏も主張しています。
しかし、まだユートピアの世界は早すぎるとビルゲイツ氏も主張しています。
管理人も同感です。
ベーシックインカムについては、さまざまな意見があって当然です。
管理人は東日本大震災で当初は盛んにもてはやされた言葉「絆」が脆くも風化していった過程を目の当たりにしました。
人間とは利己的な生物であることを実体験しました。
ベーシックインカムの実現のためには、克服する課題があまりにも多すぎると思います。
それでは
