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お金を通じて、人生を豊かに生きるヒントをアツく語る当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
みなさんは、高級家具を取り扱う大塚家具(8186JQ)をご存知ですか。
高級家具を取り扱う大手家具店です。
東京有明地区に巨大展示ルームがあります。
首都圏と関西圏の他に札幌、仙台、名古屋、福岡など主要な都市に14店舗を展開しています。
その特長は、会員制度によるトータルコーディネート商法にあります。
優良顧客を会員に囲い込み、専門的見地から家具のトータルコーディネートをアドバイスしてくれます。
会員の新築や引っ越しや子供の新築祝いなどで一括発注もあり、高収益を誇っていました。
バブル期(1999年)の株価は、なんと18700円の最高値をつけたこともあります。
しかし、バブル崩壊とともに途端に業績悪化の一途を辿ります。
デフレが進み、世のトレンドは高級品から安価でも品質が良いものに移行していきます。
高級家具は売れなくなり、業績は見る見る悪化していきます。
大塚家具の執行部は、これまでどおり会員制高級家具路線で行くか、ニトリやイケアのように低価格重視で行くか、創業者と実の娘との間で路線衝突が勃発します。
そして、3年前、当時社長だった創業者大塚勝久氏と娘大塚久美子氏との間で骨肉の経営権争いが生じ、結果的に路線修正派の久美子氏が経営権を勝ち取り、社長に就任しました。
この3年の間に大塚家具は変わったはずでした。
しかし、結果は惨敗です。
株価はお家騒動当時2488円をつけていたのが、直近では7月13日に340円の最安値をつけました。
ただし、その後身売りの話が出て株価は急騰しています。
(引用:ヤフーファイナンスHP)
大塚家具の株価は、1999年の最高値からわずか19年のうちに18700円⇒340円となりました。
実に1/55にまで株価が下がったことになります。( ゚Д゚)
株式売買の有名な格言に事故は買い、事件は売りの格言があります。
大塚家具の親子喧嘩はまさに事件です。
大塚家具を通じて、事故は買い、事件は売りの格言について考えてみます。
1 大塚家具とは
大塚家具の歴史は意外に浅く、1969年創業者の大塚勝久氏が、家業の大塚桐箪笥店から独立し、一代で築き上げました。
大塚家具の前につくロゴIDCは、International Design Center(インターナショナルデザインセンター)の意味です。
家具をトータルコーディネートするのが売りとしていました。
家具を買う機会は、人生の中でも滅多にあることではなく、新築や結婚など人生のハレの機会に買うものです。
しかし、滅多に買うものでもないことから、トータルでコーディネートしてもらえれば、多少高くとも間違いがないという富裕層を中心に一定の需要が生じます。
いってみれば御用聞き商法です。
御用聞き商法は、昭和の時代はごくありふれた商法だったと記憶しています。
地域が地縁者でつながっていたことが大きな理由でした。
サザエさんの三河屋をイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。
バブル期には、我が国は未曾有の好景気となり、大塚家具の営業収益も2001年には75.2億円の最高益を記録します。
トータルコーディネートするには、たくさんの家具を実際に目で見て触れなければ、利用者は決められません。
そのため、大塚家具は地域最大規模の展示場を確保する路線に進むしかありませんでした。
東京にある有明ショールームは国内最大です。
管理人も話のタネに行ってみましたが、広大という言葉がぴったりの超巨大展示場でした。
しかし、価格が全体的に高く、管理人のような中流以下の人間には縁のないところと思いました。
2 時代は、デフレの時代へ
バブルが崩壊すると時代は、高額ブランド品から、ブランドにこだわらない安くとも品質の良いものへと大きなパラダイムシフトが起こります。
百貨店からスーパーへ
ブランド品からユニクロやしまむらへ
総合スーパーから専門店へ
家具の世界も例外ではありません。
高品質で安価な家具を展開するニトリが全国展開し、街中の家具店は次々と廃業していきます。
百貨店は毎年度赤字に苦しみ、三越は伊勢丹に実質上吸収されます。そごうは廃業します。
次に続いたのが、GMSと呼ばれる総合スーパーです。
ダイエーはついにイオンに吸収され消滅します。
しかし、本体のイオンもイトーヨーカドーもGMSの営業利益はほとんどありません。
消費者は、より専門店志向が高まります。
しかし、ヤマダ電機のような専門店もAmazonに代表されるネット販売に次第に押され始めていきます。
これから次に何が来るのか想像もできません。
そんな中、会員制で優良顧客を囲い込む大塚家具商法が、次第に厳しくなっていったのは、容易に想像がつきます。
また、高度成長時代結婚の三種の神器と呼ばれた婚礼家具を嫁ぎ先に贈る習俗も、名古屋地域を除いて、ほぼ廃れました。
地震が頻発すれば、家具は凶器ともなりかねません。
住宅事情もあり、家具が新生活必須の調度品とも思われなくなりつつあります。
我が家の話で恐縮ですが、我が家はタンスは管理人用のひとつしかありません。
各部屋にクローゼットをビルトインさせたので、タンスは不要です。
部屋は有効活用でき、地震でも倒壊のおそれはありません。
また、食器戸棚はシステムキッチンでビルトインなので、新たに買い求める必要がありません。
あえて買ったのは、書棚と机と食卓とベッド程度です。
書棚はハウスメーカー推奨品で、色合いも床面と同じですのでなじみます。
家具店から買い求めること自体が、限られる時代となったのだと思います。
3 大塚家具の選択
無論大塚家具も手をこまねいていたわけではありません。
このまま会員制の囲い込み商法を続けても、じり貧状態となることは目に見えています。
そこで社長の久美子氏は会員制を止め、誰でも入りやすくオープンにして、ニトリやIKEAのようにリーズナブルな家具を品揃えする戦略に切り替えようとします。
しかし、それでは優良顧客が逃げ出してしまうと、創業者勝彦氏と社長久美子氏との間で、株主を巻き込んだ親子喧嘩となりました。
法廷闘争まで発展しましたが、結果的に久美子氏側の勝利となり、勝彦氏は経営から離れました。
新しい考え方の元で大塚家具は再生できると連日ストップ高となったのは記憶に新しいところです。
4 最悪の結果が待っていた
しかし、敷居を低くしたからといって、すぐに一般客が集まることはありませんでした。
家具は生活に絶対的に必要かというと、ビルトインで備え付けられている戸建て、マンション、アパートも多くなり、需要そのものが細っています。
また、これまでの大塚家具のセレブ重視の商法には、方針が変わったからといってすぐに変わるわけではありません。
実際我が家も新築にしたときいくつかの家具は新調しようと思い、大塚家具に行きました。
しかし、我が家の家族は、貧相な身なりのせいか、担当は近づいてもくれませんでした。
他のセレブと思わしき家族には、担当が付き上へ下へとしっかりとついて回っていました。
走り回る子供を連れた我が家は、好まざる者の扱いに、いたく傷ついた記憶があります。
その点ニトリやナフコや東京インテリア家具等の家具店は、何を見てもほとんど店員が来ることがなく、自由に店内を見ることができます。
経営方針を急に変えても、一般客も店員もすぐには切り替えられない現実がありました。
また、想定できなかった副作用が生じました。
それは会員の優良顧客の反発です。
優良顧客側から見れば、少し高いけれど担当もつき、トータルコーディネートしてくれる高級家具が、我が家のような一般客へ開放し、しかも値引きするとは何ごとだというわけです。
もう利用しない!
とセレブのみなさんは一斉にそっぽを向いてしまいました。
創業者が最も大切にしていた仕組みが崩壊しかけてしまいました。
手持ちの現金は底をつく寸前で、存続さえも危ぶまれる声が聞こえ出します。
5 生き残る道
報道によれば、貸会議室業のTKPの子会社化、若しくは家具分野への進出に興味を示すヨドバシカメラが有力です。
TKPは第3位の株主ですが、本体が大塚家具より小さく、融資銀行団はヨドバシカメラを強く推しています。
ただし、条件は大塚久美子氏以下執行部の総辞職です。
身売り話が報道される前後から大塚家具はストップ高となります。
もはや現体制には期待していないという意思を株価は示しています。
(引用:ヤフーファイナンスHP)
6 事故は買い、事件は売りの極意
大塚家具の内紛は、まさに事件です。
相場の格言である事故は買い、事件は売りを初日に示しているチャートとなっています。
2015年3月株主総会で、大塚勝久社長体制は、総退陣となり、新たに大塚久美子社長体制となりました。
しかし、期待された改革はなく、むしろ優良顧客離れをまねいてしまい、八方ふさがりです。
株価も、新体制になった2015年3月には2488円に上がりましたが、その後の3年間はダラダラと下がり続け、2018.8.6の段階で408円まで下がっています。
1000株購入していたら、200万円が消えたことになります。
このように事件の場合は、それで業績が良くなるか悪くなるか、判断に時間を要し、ダラダラと下がってしまいます。
事件があったらすばやく損切りが傷口を広げない最善の方法とされるわけです。
同じように2016年12月にお家騒動があったクックパッドも同じようなチャートです。
(引用:ヤフーファイナンスHP)
当時2500円であった株価は、2018.8.5には最安値471円を記録しています。
Web2.0 といわれたクックパッドの株価が、最高値の1/5以下となってしまいました。
創業者の佐野氏が、元価格コムの穐田社長を追い出したのが原因です。
1000円切ったら買おうかなと思っていたので、正直ここまで下がるとは夢にも思っていませんでした。
株は本当に怖ろしいです。
反対に事故の場合は、その瞬間は大きく下げます。
オフィス用品宅配の大手アスクル(2678東証1部)は、2017年2月に埼玉県の自社倉庫で火災が発生し、鎮火まで1週間以上かかりました。
当時3800円前後だった株価は、火災により業績に悪影響があると見て、3000円を切るまで値下がりました。
しかし、大塚家具やクックパッドのようにダダ下がりにはならず反転に生じています。
事故の影響で一時的に業績は悪化しても、回復するという期待があるからです。
(引用:ヤフーファイナンスHP)
7 まとめ
いかがでしたか。
相場の格言事故は買い、事件は売りを混乱が続く大塚家具を題材に実証してみました。
大塚家具の場合、創業者の大塚勝久氏であれ、現社長で勝久氏の実娘である大塚久美子氏であれ、立て直すのは容易ではありません。
消費者の家具に対する見方や価値観は劇的に変わっており、そのパラダイムシフトに追いついていないからだと思われます。
ただし、大塚ブランドを結果的に傷つけ、顧客離れを起こしてしまった大塚家具を自力で立て直すことは困難となっているようです。
こんなことになるのなら、再び勝久氏と久美子氏が仲直りして、大塚家具の再生に全力を尽くしてもらいたいものです。
株式投資を行うにあたって、事故は買い、事件は売りの格言は、決して忘れてはならない言葉だと思います。
株式投資はくれぐれも自己責任により行われますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは