最終更新2018.7.30
ようこそ(^^)/
お金を通じて、人生を豊かに生きるヒントをアツく語る当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
今回は、相続税強化に伴い、巷で大ブームのアパート経営について、実例を元に語ります。
30年一括借り上げシステムの甘い罠は、欲に駆られた人々に襲いかかる仕掛けです。
ハイリスクハイリターンの投資には、リスクがつきものです。
財テクに関心のある人、相続を考えている人は必見です!
また、一歩間違えば地獄行きが待っているリスキーな人生を歩みたい人も必見です!(怖)
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1 Aさんの人生を賭けた大勝負
先日、6年前職場が一緒で、現在退職した現場叩き上げのAさんが、遊びに来ました。
Aさんは面倒見のとても良い方で、初めての赴任先で苦労する管理人をいろいろと助けてくれた人です。
久々だったので、ついアパート経営は順調ですかと切り出してしまいました。
Aさんの目が少し曇ったのを見て、しまったと思いました。
Aさんは、6年前退職した翌日の4月1日に、退職金を頭金にして、先祖伝来の土地を担保に1億円の融資を受けて、アパートを2棟建てた強者です。
全部で12室あり、家賃は7万円とし、とある賃貸住宅管理会社と、30年間の一括借り上げ契約を締結しました。
順調に行けば、7万円×12室×2棟×12月=2,016万円の年収となり、数年で、借金を返済できるという夢のような計画でした。
私が所長だったときに相談を受け、大丈夫かと自重を勧めました。
しかし、事業欲を持ち、あきらめきれなかったようです。
会社ではしがない現場どまりだったけれど、起業して不動産賃貸業会社の社長になるんだと意気込んでいました。
その後、東日本大震災が発災し、賃貸物件が品薄となり、満室が続いたそうです。
Aさんは、それで飽き足らず、3年前に、さらに2棟アパートを新築しました。
つまずきは、ここからでした。
被災地における災害復興住宅が次々と完成し、これまで国や県の補助金で賃貸住宅に住んでいた方々が次々と災害復興住宅に移り、空室が目立つようになってしまいました。
30年間一括借り上げだから空室でも、オーナーは困らないんですよと言ってましたが、そんな馬鹿な契約があるわけないと思いました。
案の定、賃貸住宅管理会社から、契約の見直しを迫られ、契約違反だと憤っていました。
2 アパマン投資は崩壊寸前
先ごろ金融庁では、地方銀行の行き過ぎたアパートマンション融資について、調査を開始しました。
日本銀行によれば、アパートローン残高はなんと22兆224億円にも及び、国家予算の1/5の巨額になっています。
金融庁は悪夢のバブル崩壊を懸念しています。
アパートローンは競争が激しい住宅ローンより高めの金利が見込めるため、多くの地銀が成長分野として力を入れている。
日銀によると、平成28年9月末の国内銀行のアパートローン残高は前年より4・5%増の22兆224億円。
3 縮みゆく日本社会
日本の人口は、今後減少していくことが予想されています。
日本の人口のピークは、2004年の1億2,779万人でした。
これが、2030年には、ピーク時の9.8%減少、2055年にはピーク時の29.6%と人口減少社会に突入しています。
2030年 11,522万人 9.8%減
2055年 8,993万人 29.6%減
(出典:厚生労働省)
今後、人口減少社会は、日本に想像もできない影響が生じるものとされています。
人が少なくなれば、モノは売れなくなるし、住宅も余剰となります。
4 全国空き家数の恐怖
人口減少の影響は、すでに空き家の増加に現れています。
2013年の調査で、全国の空き家の数は、なんと8,196千戸で、空き家率は13.5%です。
(出典:総務省統計局HP)
この数字に驚いてはいけません。
今後の空き家数の予測も出ています。
2018年 8,196千戸 13.5%
2023年 13,940千戸 21.0%
2033年 21,455千戸 30.2%
絶望的な数です。
わずか16年後、3軒に1軒が空き家となる日がやってきます。
空き家のスラム化、犯罪率上昇、放火・・・想像するにも恐ろしい時代が、まもなくやってきます!
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5 30年一括借り上げ契約は、違法ではないが誠実ではない
さて、Aさんは、賃貸住宅管理会社の30年一括借り上げ契約は違法ではないかと疑問に思っていました。
全国でも、契約内容が違うと訴訟が各地で生じています。
家賃収入は10年間変わらない契約でアパートを建てたのに、6年後に減額されたとして、愛知県の男性(80)が22日、サブリース大手「レオパレス21」(東京都)を相手に、減額分の支払いを求める訴訟を名古屋地裁半田支部に起こす。
同様の減額事案は全国で相次いでおり、少なくとも100人以上のオーナーが一斉提訴を検討している。
サブリースは、オーナーが建てたアパートを業者が一括で借り上げ、空室に関係なくオーナーに一定の家賃を支払う仕組み。
しかし、思うように入居率が上がらず、オーナーへの支払いを減らし、トラブルになるケースが相次いでいる。
国土交通省は昨年9月、契約時に「将来的に家賃が減る恐れがある」、との説明を業者に義務づけた。
しかし、訴訟を起こしても結果はきびしいとされています。
その理由は、アパートの所有者であるオーナーが、サブリース業者(賃貸住宅管理会社)と賃貸契約を結ぶところにあります。
オーナーは所有者、サブリース業者は借家人です。
借地借家法では、借家人の方に強い権限が付与されています。
所有者側が、賃貸料を一方的に値上げして、生活の本拠を失わせることは、日本国憲法の最低限度の生活を守る権利を侵害するからです。
つまり、30年一括借り上げ契約を結んだとしても、経済情勢の動向により、値上げも値下げも合意の上、決めることができることとなっているわけです。
空室が目立てば、それだけ収入が減るので、サブリース業者側には借り上げ契約の変更を求める権利を有するわけです。
全国で訴訟が相次いでいますが、勝訴はむずかしいのではないかとされています。
30年一括借り上げ契約の中には、2年に1度賃貸料の見直し条項やリフォームの際の業者指定、さらには手数料負担(ほとんどの場合20%)などが設けられています。
つまり、30年一括借り上げ契約しても、賃貸料の変更はあり得るし、リフォームはサブリース業者が指定するので勝手にしないでね、手数料はしっかり20%もらいますということです。
無論、Aさんが描いていたようなハイリターンは、満室が条件となりますが、可能性はないこともないです。
しかし、今まで述べてきたように人口縮小社会に突入し、空き家が3軒に1軒が予想される中で、ますます供給過多のアパートを建設していけば、早晩バブル崩壊となるのは免れません。
世の中には、おいしい話は転がってはいません。
それにしてもモラルの部分では、何もわからない素人に対して、サブリース業者(賃貸住宅管理会社)、そして野放図にお金を貸し付ける地方銀行はいかがなものかと思います。
しかし、金融庁はすでに地方銀行の行き過ぎた過剰融資にきびしい指導を行い、野放図な融資は事実上終焉しました。
さらに地方銀行によるカードローンにもきびしい指導を行い、将来のバブルが弾ける前の対策をとっています。
アパマン投資にはくれぐれもご注意ください。
ブログに愛と真の情報を
それでは