最終更新 2019.9.4
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるヒントを考える当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、2017年8月1日より、年金受給資格が年金加入10年以上となりました。
無資格者の救済を進めることとしたのは、国の財政事情が悪い中では大英断であったと思います。
10年加入の際の年金支払いは、月換算にするとわずか16,250円という衝撃の額ですが、それでも無年金よりはまだましです。
一方、その裏で、酷い年金改悪が進められようとしています。
年金制度は、国民が安心して老後を暮らせる制度であるはずです。
だからこそ、第3号被保険者以外の国民は、20歳から60歳まで40年間、つらい思いをしながらも我慢を重ねながらも、毎月16,410円(令和元年度)を納めています。
掛け金は、物価マクロスライド方式により上下します。
悪魔の企みを紹介します。
若い世代の方にとっては、あまりにも残酷すぎる企みです。
1 まだまだ続く年金改悪
我が国の人口は、2050年には1億人を切るという衝撃の人口推計があります。
さらにその10年後の2060年には、1,000万人も減少し、人口は約8,600万人と2016年よりも4,000万人も減少する予測です。
(出典:内閣府)
現在、年金は現役世代5人で、リタイア世代を2人を賄っている計算になります。
それが人口減少により、現役世代3人で2人を賄う計算となります。
約40年後には、人口が3割も減ります。
年金の支え手がいなくなれば、世代から世代へバトンタッチする仕組みの年金は早晩破たんすることは間違いありません。
そこで、現在5年に1度見直している「高齢社会対策大綱」に、年金の先送り受給を盛り込むことが現在検討中で、年内には公表されることとなっています。
2 年金繰り下げ受給
一番の検討は、現在年金は65歳からの受給の先送りについてです。
実は、現在の年金制度は、65歳からの受給が大原則ですが、繰り上げ受給と繰り下げ受給が可能です。
当然、繰り上げ受給は減額し、繰り下げ受給は増額することとなっています。
65歳受給を70歳受給とすれば、増額率はなんと42.0%にも上ります。これを75歳からでも繰り下げ受給を可能とする仕組みとすることが検討されています。
現在、老齢基礎年金は40年掛けると、65歳から満額で780,100円受給されます。
5年後の70歳からとすると、満額で1,107,742円と、327,642円も増額されるという大特典付きです。
しかし、現在、70歳繰り下げ受給制度を活用している人は、わずか1.4%です。
この理由は、明快です。
人には寿命があるからです。
日本人の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳(2017.7.27厚生労働省)です。
65歳から受給するとすれば、男性は15.98年、女性は22.14年の給付となります。
70歳から受給するとすれば、男性は10.98年、女性は17.14年の給付となります。
65歳から受給
男性総額 12,465,998円
女性総額 17,271,414円
70歳から受給
男性総額 12,163,007円
女性総額 18,986,698円
平均寿命まで生きることができた場合、男性は損しますが、女性は得します。
長生きが前提であれば、女性は年金繰り下げ受給の方が得します。
しかし、先のことは誰にもわかりません。
だからこそ70歳繰り下げ受給は怖くてできないのだと思います。
この心理は実際に受給年齢に達さないと理解できないと思います。
妻の母親は、年金が早く欲しくてしょうがなかったようで、57歳の時に繰り上げ受給を使ってしまいました。
現在84歳なので、大変な大損となっています。
約300万円は損していると思います。
しかし、明日は何が起きるかわからないと本人はいたってご満悦です。
3 検討中の年金改悪
座長の清家篤 前慶応義塾大学長は、「もっと先まで繰り下げ支給の幅を広げる可能性もある」と表明しています。
検討会では、繰り下げできる年齢について「75歳とか、もっと延ばしてもいい」との意見が出ています。
仮に75歳繰り下げ受給制度が決まったとします。
実際に受給を受けられるのは、男性は5.98年、女性は12.14年しかありません。
しかも75歳ともなれば、積極的に旅行に行くとかドライブすることも少なくなっていきます。
死に金をもらっても使えねえええええ!
(´Д`)(´Д`)(´Д`)
これが国の狙いです。
国民年金(老齢基礎年金)をトンチン保険にする企みです。
トンチン保険とは、トンチンカンな保険と言いたくなりますが違います。
17世紀のイタリアの銀行家ロレンツィオ・トンチに由来する保険です。
生き残った者が掛け金を総取りできるサバイバル保険のことをいいます。
生命保険会社がボロ儲けしてしまう保険なので、長らく日本ではトンチン保険はありませんでした。
しかし、長らく続くマイナス金利で苦しい生保業界では、2016年からトンチン保険を売り出しました。
意外にも大人気だそうです。
40年間の掛け金7,915,200円を下回る受給であれば、国は儲かります。
長生きした国民には、割り増しして年金を支払うので、受給年齢を下げませんかという悪魔のささやきです。
4 さらに先にある議論
少子化による人口減少は、支え合う仕組みの年金の維持が困難になることが想定されます。
そこで、年金の受給年齢をもっと先に延ばし、68歳、70歳若しくは75歳まで先延ばしするという議論も始まっています。
こうなれば、繰り下げ受給の割り増しもなくなるので、ますます国は回収が可能となります。
現在の65歳年金受給を75歳にするという改革案の理由は、まだまだ高齢者は元気だからだそうです。
確かに高齢者雇用安定法が施行され、定年後再雇用制度が義務化され、60歳定年でも65歳までは、現役時代の1/3程度ですが、なんとか収入は確保できます。
しかし、65歳からの10年間は、どうやって生き延びろというのでしょうか?
もし、このような制度に改悪でもされたら、これは国家的詐欺になってしまいます。
国民の豊かな老後を支えるために導入された年金制度が、受給年齢を足切りしてしまうなんて、悪魔の考えではないでしょうか?
5 まとめ
国民年金制度は、急激な人口減少が始まる中では、現行のまま維持することは無理です。
しかし、だからといって、10年以上無収入の時間を作ったのでは、破たん者が続出します。
退職してから10年から15年間、どうやって生き延びるかが大きな問題となっていきます。
二人以上世帯は、平均すれば月30万円の支出が必要とされています。
年間360万円もかかります。
65歳まで再雇用で働いても、10年であれば3,600万円が必要ということになります。
とにかく、退職までには3,600万円貯めなさいということです。
これでは、死ぬために働いているようなものです。
◆20歳から60歳まで、40年間国民年金保険料を1月も滞納せずに納めろ!
◆それとは別に60歳まで3,600万円を貯めて、74歳まで生きたきゃ勝手に生きろ!
◆そうしたら75歳から年に78万円の老齢基礎年金はくれてやる!
◆ただし、病気になるな!
◆できるだけ受給を受けずに早く死ね!
といっているようなものです。
本当に怖ろしい話です。
生きる希望も働く理由も、なくなります。
老後の楽しみなんてあるのでしょうか?
まるで現代の姥捨て山です!
若い世代の皆さんは、働く意欲など消し飛ぶのではないでしょうか?
そもそも特権の第3号被保険者(サラリーマンの配偶者)に対しては、これからもずっと年金を支払わない仕組みを維持するのでしょうか?
国民を苦しめ、不公平で不透明な制度だけは作らないようにしてもらいたいものです。
ブログと年金に愛と真の情報を
それでは