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お金を貯めることを通じて、人生を豊かに生きるヒントを提供する当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、先日、料理レシピの巨人「クックパッド」の株価急落について、ブログにしたところ、大変な反響があり、驚いています。
本日は、クックパッドと同じようにコンテンツで一時代を作ったカドカワ(9468)も、株価が長期下落し、8月14日には200円を超える急落となりました。
カドカワといえば、日本最大規模の出版社角川書店とニコニコ動画で有名なドワンゴが、2014年に合併して作った会社です。
本や雑誌のコンテンツ、ゲームやニコニコ動画のコンテンツを押さえ、今後最強のメディアミックスによるコンテンツ産業になるのではと期待された割には、まだ合併効果が現れていません。
一体何がどうしたというのでしょうか?
アメリカではすでにコンテンツ商法は、終焉説が有力となっています。
コンテンツ商法は終焉に近づきつつあるのかどうかを、カドカワについて考えて見ます。
1 カドカワ(9468)とは
2014年に大手出版社である角川書店と動画配信IT企業のドワンゴが経営統合してできた新会社です。
角川(かどかわ)書店とドワンゴから2文字ずつ取って、カドカワが誕生しました。
初値こそ2,346円を付けましたが、株価は長期下落傾向にあり、2017.8.15に最安値1,219円をつけ、上場値のほぼ半値まで、下落しています。
(引用元:Yahoo)
1-1 角川書店→KADOKAWA
角川書店は、出版社の大手ですが、メディアミックスの先駆者です。
私が学生の頃は、辞書の角川と呼ばれ、古語辞典と漢和辞典は角川書店が絶対的でした。
保守的なお堅いイメージの出版社でしたが、子息の角川春樹氏が、書籍と映画を融合させるメディアミックスを仕掛けたところ、野生の証明や横溝正史シリーズで日本映画に一大角川映画ブームを巻き起こしました。
薬師丸ひろ子さんや原田知世さんは、この際に発掘された女優で、いまでもその美しさは変わっていません。
長らく出版不況や映画不況そしてゲームソフト不況が続き、どの出版社も青息吐息の状態です。
角川書店はここで、メディアミックスの強化を狙い、出版社や映画会社やゲームソフト会社の積極的な買収や吸収を進めています。
富士見書房、メディアワークス、エンターブレイン(旧アスキー)を吸収合併している他、映画会社の老舗「大映」も吸収しました。
出版と映画の他にゲーム、雑誌、情報誌、アニメまで手がける巨大なメディアミックス企業に変貌しました。
特にアニメは、角川アニメといわれるほど萌え系に強みを持っています。
これまでも、らき☆すた、涼宮ハルヒの憂鬱、艦これなどの大ヒット作のコンテンツを握っています。
昨年大ヒットした「君の名は」では、直接映画製作には関わっていませんが、制作委員会に出資し、出版物を独占販売して、株価が大きく値を上げました。
【新文化】 - KADOKAWA、映画「君の名は。」関連書6点で200万部に
また、大ブームの兆候が著しい「けものフレンズ」にも関わっています。
管理人は、角川書店とドワンゴが経営統合した3年前から、カドカワの株に注目してきました。
君の名はヒットするかどうかわからなかったこと、ドワンゴとの合併によるシナジー効果が見えず、評判が良くなかったことから、すんでのところで買うのを止めました。
買っていたら、現時点で40万円ほど損失を出していました。(Ho)
1-2 ドワンゴ
当初は、携帯電話の着メロからスタートしたIT企業ですが、現在はニコニコ動画のポータル事業によるプレミアム会員からの会費徴収が、最強のストックビジネスとなっています。
ポータル事業 ニコニコ動画
モバイル事業 ドワンゴjp
ライブ事業 ニコニコ超会議、ニコファーレ運営
ゲーム事業 スパイク・チュンソフトの子会社化
その他事業 アニメロサマーライブ、N学院運営
niconicoユーザー 6,430万人
プレミアム会員 243万人 月額540円
ニコニコチャンネル有料会員 54万人 月額540円から
ストックビジネスとしては、niconico動画プレミアム会員会費と、ニコニコチャンネル有料会員会費からの収入です。
プレミアム会員243万人×540円×12月=157億円
ニコニコチャンネル有料会員 54万人×540円×12月=約35億円
合わせて、約192億円の収入になっているところが、ドワンゴの経営基盤となっています。
しかし、懸念材料がいくつかあります。動画の配信には相当の設備投資が必要なことと、ライバル企業の存在です。
懸念1 niconico動画のファン離れと画質劣化問題
niconico動画が世に出たのが平成17年です。
それから12年が経ち、当時のファンがniconicoを支えていますが、10代世代は、niconicoへの関心は極めて低く、客層が40代50代にそのまま年齢層が上がっているそうです。
新たな世代の獲得が必要です。
しかし、niconico動画は、まだHD化していないため、画質が悪いという致命的欠点を持っていました。
画質が良くないこともファン離れが加速化している一因とともに、ロゴを流したり、自分自身を生で配信するコンテンツへの関心が減っています。
すでにGoogleはHD化対応が終わっており、niconico見るならYou Tubeを見たほうがましという声も聞こえます。
Amazonのプライム会員動画見放題サービスも強力なライバルです。
本年10月には、いよいよniconio(く)を出し、画質を大幅に改善することが見込まれています。
これにより、再びニコニコ離れを食い止められるかどうか、関心が高まっています。
懸念2 オタク系文化ブームの沈静化
ニコニコ超会議、ニコファーレ、アニメロサマーライブなどいわゆるオタク系文化が、いつまでも続くかどうかについても関心が高まっています。
ニコニコ超会議は、毎年17万人も集めていますが、次々と仕掛けられる萌え系アニメが今一つヒットせず、それに伴うグッズ販売等の売上げの影響などが懸念されています。
日本人は、特に移ろいやすい民族であり、ブームが定番化できるのかが課題です。
2 株価異変
出版、映画、ゲーム、イベント、音楽配信、動画配信、動画サービスなど数々のメディアコンテンツを持っており、クロスメディア化すれば、莫大な利益を上げることを期待しての経営統合です。
しかし、業績的にはまだ成果が挙げられていません。
2017.8.10に発表された4-6四半期決算では、最終損益が赤字に転落し、それを嫌った投資家が投げ売りし、株価は200円以上も急落してしまいました。
この異変は何故起きているのでしょうか。
3 管理人の考え
ここからは、管理人の考えなので、参考に留めてください。
1 出版物不況
昨年は「君の名は」の関連書籍が200万部以上売り上げ、大ヒットできましたが、今年はこれといった話題性のある映画はヒットしていません。
また、数年前一大ブームを巻き起こした雑誌東京ウォーカーの発行部数は、激減しています。
ただし、出版不況は、カドカワに限ったことではありません。少年サンデーまで廃刊する時代です。
インターネットを礼賛していた出版社が、インターネットに喰われようとしているのは、皮肉な結果です。
2 動画市場コンテンツ
プレミアム会員は、234万人も獲得しており、経営は盤石に見えます。
しかし、動画の画質はまだHD画質対応していないので、YouTubeやAmazonと比較すると明らかに見劣りします。
しかも、ロゴを入れる参加型のニコニコ動画に対しては、次世代が育っていません。
動画市場には、Huluを始め、ドコモなどさまざまな企業が、進出し始めており、強力なライバルです。
今後品質競争となれば、莫大が経費がかかるのもネックとなっています。
3 ゲーム不況
任天堂スイッチのヒットで、ゲーム市場は盛り上がっていますが、スマホ普及による課金型ゲームが主流になっており、ゲームの市場規模は年々縮小しています。
この中で、経営統合により、たくさんの技術者を抱えているカドカワにとって、ヒット作が出ず、苦しい状況が続いています。
4 オタク文化の維持継続
萌え系やコスプレなどクールジャパン文化は、オタクと呼ばれるマニアが支えています。
しかし、陰りを見せつつあるのも事実です。
これらの文化は、非正規雇用やアルバイトや学生の方々が必死になって支えている側面があります。
しかし、収入は厳しく、支える資金が細っています。
いわゆる構造不況が、オタク文化の維持にまで影響を及ぼしていると思います。
5 着信サービスの将来
ドワンゴJPは、着メロ時代から大きなシェアを確保し、それが音楽着信サービス事業に続いています。
しかし、着信サービスも時代はストリーミングの方向に進んでおり、低額で聴き放題の時代がスタートしています。
特にAmazonは音楽もビデオも一部聴き放題見放題サービスであり、脅威です。
6 N高等学院の経営
ドワンゴが未来のクリエイターを作ろうと沖縄に作った高校です。
生徒数も2,000人を超え順調そうに見えますが、教育というものはお金がとにかくかかるものです。資産を食いつぶすことを懸念しています。
あの加計学園が経営する倉敷芸術科学大学と千葉科学大学も年間数億円ずつ赤字を垂れ流しています。
何しろ定員割ればかりで、これまでに21学科を廃止しています。
今治市は岡山理科大学獣医学部に133億円の補助金を出しますが。補助金を返還するのに340年かかるそうです。
4 コンテンツ商法の未来
コンテンツ商法は、先駆者となって莫大な利益を上げる商法です。
しかし、だからといって常に先駆者のコンテンツ利益が守られるものではありません。
特にIT業界は、次々に新しい技術や考え方が導入し、先駆者のコンテンツがたちまち陳腐化してしまうことは良くある話です。
カドカワが得に収益の柱であるニコニコ動画のコンテンツをどのように確保していくのかは見ものです。
ただし、経営統合後、一度も上場初値を超えることなく、とうとう半値となってしまっている状況を見ると、投資家は、カドカワのコンテンツ商法への疑問や不安を抱えていることは事実です。
5 まとめ
いかがでしたか。
時代のプランナーともいえるカドカワでさえ、インターネットのよる急激な技術革新や価値観の多様性に戸惑いを感じていて、それが業績につながっていないように感じられます。
コンテンツは有料から無料へという世界的な流れにより、コンテンツ商法は厳しい時代を迎えているのは間違いありません。
ただし、カドカワには、時代に先駆けてメディアミックス産業を築き上げた企業であり、これからの時代に何を仕掛けてくるのか興味津々です。
そこに管理人は魅力を感じ、今でも動向を注視しています。
新しいどんな文化をしかけてくるのかワクワクします。
自分の感性に合ったものを仕掛けてくる時、私は投資しようと考えています。
なお、投資はあくまでも自己責任です。
よろしくお願いします。
それでは