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お金を貯めることを通じて、人生を豊かに生きるヒントをアツく語る当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、2017年9月19日より、Apple社のWebブラウザであるSafari11.0にITP(Inteligent Tracking Prevention:インテリジェント・トラッキング・プリベンション)機能が搭載されました。
この機能は、3rdパーティのcookieを24時間で追尾をシャットアウトするもので、特にリターゲティング広告は壊滅的なダメージを与えるとされています。
今回は、アップル社Safari実装ITPが、ネット広告業界の決算にも深刻な影響を与えているかどうかについて考えてみます。
- 1 ITPで検索すると・・・
- 2 Criteo社の第3四半期決算
- 3 ファンコミュニケーションズ2017年第4四半期決算報告
- 4 アドウェイズ2017年第3四半期決算報告
- 5 バリューコマース2018年12月期決算報告
- 6 まとめ
1 ITPで検索すると・・・
ITPが、成果報酬型広告アフィリエイター及び運営するASP(Application Service Provider)事業者の影響は、甚大になるかもしれないことについては、先日、A8.ネットで有名なファンコミュニケーションズを例に記事にしました。
たくさんのアクセスをいただき感謝申し上げます。<(_ _)>
www.panpanpapa.comITPって何?と思われる読者の方は、ぜひ上記当サイトリンク記事をご参照ください。(^^ゞ
ITPとGoogleで検索すると、なんと約 26,700,000 件 も検索されます。
しかし、ITP(Idiopathic Thrombocytopenic Purpura)=特発性血小板減少性紫斑病という特定疾患(難病で治療法が未だ確立していない病気)のサイトがほとんどです。
そこでITP収益激減で検索すると・・・
おお!わずか966件ですが、検索順位第1位ではないですか!(^^ゞ
ITPは、世の中の関心が高いのかどうか、ちょっと微妙な感じはします。
2 Criteo社の第3四半期決算
みなさんは、Criteo(クリティオ)社という企業はご存知でしょうか?
あまり知られてはいませんが、実はGoogle社に次ぐネット広告の雄です。
はてなブログも含めて、サイトの広告にはクルクルと動く広告を見ることがあります。
とても目立つ広告です。
この動く広告を作っている会社がCriteo 社です。
正確には、「リターゲティング型の動的ディスプレイ広告」といいます。
我が国のネットの88%には、Criteo社の広告が掲載されているとされ、知らないうちに私たちは、Criteo社と大きく関わっています。
このCriteo社は、IT業界には珍しくフランスで起業した会社です。
コマースマーケティング専業の企業です。
我が国でいえば、A8.ネットやバリューコマース、アクセストレードといったところです。
2017年第3四半期売上高は、前年同期比33%増の5億6,400万ドルとすさまじい伸びを示しています。
第3四半期は、9月末までの売上げです。
アップル社のITP実装は、9月19日からなので、ほとんど影響はなかったようにも見えますが、それでも100万ドル未満の影響です。
第3四半期時点でCriteo社は、ITPの影響は8~10%と予想しています。
それでも、第3四半期をベースに計算するとITPの影響は
9,024万ドル~1億1,280万ドルになります。
凄まじい影響です。
アップルのIntelligent Tracking Prevention機能(ITP)が2017年9月19日にモバイルでリリースされました。
当社は当社のSafariユーザー向けソリューションによってITPからの潜在的影響を現時点でほぼ半分に低減できていると考えています。
第3四半期には、ITPによる当社のTACを除く実質売上高へのマイナスの影響は実質的に100万ドル未満でした。
当社では、アップルのiOS11の展開および当社がカバーするSafariユーザーに関する当社の予想を踏まえ、ITPが第4四半期に当社のTACを除く実質売上高に及ぼす実質的なマイナスの影響は、同四半期に関する当社の基本シナリオ予測に対して8~10%と予想しています。
当社は今後数四半期にわたりSafariユーザー向けソリューションの改善と展開を継続する計画です。
当初、Criteo社は、すぐにITPを回避できる対策を施し、影響は防げるものと考えていました。
これは我が国のネット広告業界も同じです。
しかし、アップル社はネット神です。
アップル社は、2017年12月にiOS 11.2アップデートを行い、ネット広告企業の対策を封じ込めてしまいました。
その結果、Criteo社の第4四半期の決算報告は、収益減少予測をなんと22%減に下方修正しています。(決算発表2018.2.14)
このようなアップル社の対応について、ネット広告業界からは「一方的で高圧的である」「今日のデジタルコンテンツやデジタルサービスを支えるデジタル広告のエコシステムを脅かすものである」として批判の声が上がっています。
しかし、アップル社の動きはありません。
アップル社にとって、もっとも大切なことはユーザーの側に寄り添う姿勢です。
追尾するリターゲティング広告が嫌いなユーザーは、管理人も含めて圧倒的だと思います。
過去に閲覧した商品が1ヶ月も残っているなんて、気持ちが悪いからです。
ユーザー離れをなんとして防ぎたいアップル社にとっては、当然の措置といえます。
あのGoogle AdWordsでさえ、コンバージョントラッキングの仕組みを変更を余儀なくされたといいます。
まさにアップル社は、ネット界の神です。
3 ファンコミュニケーションズ2017年第4四半期決算報告
ファンコミュニケーションズ(東証一部2461)は、A8.net、Moba8.net、nendなどの運営によるネット広告の収入をビジネスモデルとする企業です。
2017年7月には、ブログの雄SeeSaaブログを子会社化し、着実に成長している企業です。
なお、Moba8.netは、2017.3.31で終了しています。
(引用:ファンコミュニケーションズ決算資料)
なんと、売上高が5.4%もの減少です。
特にターゲティング型が、マイナス14.6%と酷い状況です。
アドネットワーク型は、金融庁の強い指導に基づく銀行カードローン広告の自粛、もう一方のネット神Googleによる医療と健康アルゴリズム更新による減収とされています。
売上高経常利益率12.8%は、上場後最低を記録しました。
この決算報告と世界同時株安の悪環境を受けて株価は暴落しています。
(引用:ヤフーファイナンス)
アップルのITP発表までは順調に株価も上がり、1300円まで上がっていました。
しかし、2018.2.9の決算発表を受け、前日比-117円(-14.32%)安の700円の大暴落です。
最高値の半値以下です・・・。
管理人は、昨年からこの株にずっと注目していて、1000円切ったら買おうと資金も準備していました。
九死に一生を得た気持ちです。
今後もリターゲティング広告に対する批判は高まる一方であり、新たな広告手法を早急に考えていかないと、ますます広告主のネット広告離れを招きかねません。
まさか順風満帆なネット企業の雄が、ネット神の方針ひとつでここまで影響を及ぼすとは驚くばかりです。
4 アドウェイズ2017年第3四半期決算報告
同じく、ネット広告の雄アドウェイズ(マザーズ2489)です。
Smart-CやJANetなどのアフィリエイトサービスだけでなく、UNICORNやOctPassなどのマーケティングプラットフォーム、NintによるEC購買データ分析を行っている企業です。
2018.2.5に第3四半期決算報告を行いました。
アドウェイズも厳しい決算報告でした。
売上高が、前期と比べなんと12.9%もの減少でした。
(引用:アドウェイズ決算報告書)
アドウェイズは、この理由として、ITPには触れていません。
むしろ、もう一方のネット神Googleの医療健康アルゴリズムアップデートによる影響の方が大としています。
・金融庁指摘による銀行系カードローン広告基準の厳格化による、クライアントの出稿予算額縮小のため一時的に減少。(例年の出稿増加時期も、上記の規制により前年比でも減少)
・EC(健康・コスメ分野)案件の運用メニュー出稿可否厳格化(表記是正)により一時的に獲得数減少。・大型プロモーションの予算縮小および、ゲームリリースの遅れにともなう売上高減少。
この決算を受けて、株価は暴落しています。
決算翌日の2月6日は、658円から558円のストップ安です。
現在は世界同時株安の影響もあり、500円を切っています。
(引用:ヤフーファイナンス)
ご存知の方もいると思いますが、アドウェイズは、ネットのますますの普及とともに企業業績が右肩上がりになることが期待されました。
ちょうど4年前のソチオリンピックの頃です。
最高値はなんと3340円でした。
(引用:ヤフーファイナンス)
ピョンチャンオリンピックで、思い出している方もいると思います。
4年前3340円⇒現在492円です。
騰落率は、なんと-85.27%です。
半値8掛け2割引とは、天井をつけた株価は、どんなに下がっても
×0.5×0.8×0.8=0.32
約3割で下げ止まるという相場の格言です。
しかし、アドウェイズは0.1473にまで下がっています。
とても信じられませんが、現実です。
時代の最先端を行っている企業もちょっとしたことで、株価が暴落するという例です。
捲土重来を期待したいところです。
5 バリューコマース2018年12月期決算報告
ヤフーの子会社バリューコマース(一部上場2491)です。
国内初のアフィリエイトサービスプロバイダーです。ヤフーなど大手モールへの広告プログラムの提供も行っています。
(引用:バリューコマース決算資料)
広告事業に含まれる、アフィリエイトマーケティングサービスやアドネットワークサービスはやはり苦戦しています。
しかし、ヤフーショッピングに提供しているマーケティングオートメーションサービスはすさまじい伸びを示しています。
事業見直しで、スマホ版アフィリエイトプログラムADPRESSOを2017.9.30に終了しました。
広告事業は奮いませんでしたが、ヤフーショッピングへのCRMが好調だったため、株価は爆上げでストップ高となりました。
ヤフーと同じく、重くて全然動かない株なので、腰を抜かすほど驚きました。
(引用:ヤフーファイナンス)
ITPは、ショッピングモールには影響が及ばないので、今後のネット広告は、検索流入よりも、ショッピングモール内でのネット広告が優位になるといわれています。
A8.ネットやアドウェイズが厳しい決算を強いられている中、ヤフー傘下のバリューコマースは今後ますます伸びていくことが予想されてのストップ高です。
今後、アマゾンも独自の検索ロボットを開発するといっていますし、ますますEコマースの世界の戦いはホットになりそうです。
6 まとめ
いかがでしたか。
アップル社のITP装着により、ネット広告業界は大きな変革を迫られるまでになっていることは驚きです。
また、ヤフーは国内においては7割以上のネットのポータルサイトである強みを生かして、バリューコマースを使って、ヤフーショッピングなどのEコマースの強化に取り組もうとしています。
しかし、GoogleやAmazonが、ヤフーの囲い込み商法にこのまま手をこまねいているとは思えません。
特にAmazonは、ブラウザのITP装着やアルゴリズムアップデートにより売上げが左右されている現状を快くは思っていません。
世界最大の株価総額を達成した現在、Amazonが次に狙うのが、検索エンジンの自前開発とされています。
すでにA9というAmazon内検索エンジンを開発していて、アメリカでは、商品を購入するときはGoogleよりAmazonのA9を使う方が増えているという統計もあります。
ネット界は、これからも激変が予想されます。
だからこそネット関係の株価は、激しい値動きをするのですが・・・。
管理人もネット関係株式をこの世界同時株安の真っ只中で購入し、捲土重来を期すこととしました。
相場の負けは相場で取り戻してやります。(破滅するかもしれません。)(^^ゞ
株式投資はくれぐれも自己責任でお願いします。
それでは