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どうしても株式投資が怖い人に贈る魔法の行動経済学

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最終更新 2019.8.22
ようこそ(^^ゞ
お金を通して、人生を豊かに生きるヒントを考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。

さて、前回、金融知識を高めるおもしろい質問を話題にしました。

もしも10万円をもらえるなら、

A:今10万円もらうか

B:1年後11万円をもらうか

どちらを選択しますか?という質問です。

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この質問は、日本証券業協会の個人投資家の投資に対する意識調査の中のひとつです。

意外な反響を呼びました。

ありがとうございます。<(_ _)>

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もちろんどちらを選んでも間違いではありません。

ただし、資産形成を目指すのであれば、選ぶのはBです。

1年待つだけで、1万円多くもらうことができるからです。

お金がお金を増やしてくれます。

しかし、現実には証券取引のある5,000人の意識調査でもAとBを選ぶ人はほぼ半数です。

人間は、明日よりも今日を選ぶ本能が残っています。

この質問の元となったのは、2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー教授が唱える行動経済学です。

この質問にもう少しバージョンを増やすことによって、たちまちのうちにリスクという投資の恐怖を乗り越えることができます。

くれぐれも投資にははまらないようにご注意ください。

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1 行動経済学とは   

行動経済学とは、従来の経済学に心理学と社会学と意思決定理論を融合させた新しい形の経済学です。

その目線にあるのは、消費者です。

行動経済学を知ると世の中の見方が大きく変わります。

当サイトでも、以前ナッジ理論のひとつ「極端性回避理論」を取り上げました。

3つの価格差の商品を選ぼうとするとき、人は極端をできるだけ回避し、真ん中の商品を選ぼうとする消費行動です。

この消費行動を利用して、販売者は販売促進を行っています。

いわば消費者は、知らないうちにいいように誘導されています。

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2 現在性効果

冒頭の10万円の設問に対する行動は、現在性効果といわれています。

人間は、今この瞬間を特別に重要視する動物です。

冷徹な見方をすれば、人間という動物は、他の動物と同様に「今日を生きることだけを考え、明日という概念を持たない動物」です。

馬鹿言え!

人間は明日を見れるから、未来を見据えるから、文明が発達したんじゃないか!

今日しか考えない動物ならとっくの昔に絶滅しているわ!

おまえはファイナンシャルプランも知らないのか!

もちろん、管理人も、人間は明日という想像力を働かせることができる唯一無二の理知的な動物だと信じています。

だからこそ文明が生まれ、現在に至っていると信じています。

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しかし、文明が進展したのはせいぜい数千年前のことです。

ホモサピエンスという新生人類が誕生してから、数十万年(一説には10数万年)が経っています。

その間人類は、数千年前の文明が誕生するまでの間、穀物を栽培する考えを持たず、その日にありつく食べ物を糧に生き長らえてきました。

人類の長い過酷な体験が、現代人にも色濃くDNAに受け継がれているというわけです。

いくら文明が進展したとはいえ、この本能とも呼ぶDNAの呪縛から人間は脱しきれないというわけです。

明日よりも今日が大切と考えて行動する人は、ほとんどの人ではないでしょうか。

それは意志力が弱いということではなく、DNAがなせる業だと思うととても楽になります。

ダイエットが成功しないのも、今日ありつく食糧を体内に蓄えておくというDNAが脳を支持していると考えるとなんとなく理解できると思います。

2 確実性効果

続いての問題です。

A 100%の確率で、10万円もらえる

B 80%の確率で、15万円もらえる

としたら、あなたはどちらを選びますか?

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80%の人がAを選びます。

確実にもらえるのなら100%のものを選ぶのが人間の行動です。

しかし、期待値から考えてみます。

Aの期待値は10万円です。

Bの期待値は、15万円×0.8=12万円です。

Bの方が期待値は高いにもかかわらず、Aという確実性を選ぶのが人間の行動です。

3 確実性効果の具体例 年金の繰上げ支給率

現在、年金は65歳受給が原則です。

しかし、年金制度には、本来(65歳)支給よりも5年以内早くもらえる繰り上げ支給制度があります。

反対に本来支給よりも後に支給される繰り下げ支給という制度があります。

当然のことですが、繰り上げ支給は、本来支給よりも給付額が減ります。

反対に繰り下げ支給は、本来支給よりも給付額が増えます。

60歳0ヶ月から繰り上げ支給とすると、65歳支給の30%減額となります。

70歳0ヶ月から繰り下げ支給とすると、65歳支給の42%増額となります。

国民年金の年額支給は、77万9300円(平成30年度)です。

60歳0か月の繰り上げ支給額は、54万5510円です。

70歳0か月の繰り下げ支給額は、110万6606円です。

年金受給者は、この3つのうちどれを選んでいるのでしょうか?

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2016年のデータとなります

繰り上げ支給 34.1%

本来支給   64.9%

繰り下げ支給   1%

なんと、3割以上の人が繰り上げ支給を選んでいます。

 

管理人の義母は、当時55歳から繰り上げ支給が可能でした。(本来支給は60歳)

義母の親戚もまた、繰り上げ支給でした。

管理人が結婚する前の話です。

もし知っていたら絶対に止めさせられたと思うと忸怩たるものがあります。

繰り上げ支給の理由は、年金を早くもらいたいからだったそうです。

( ゚Д゚)

60歳までに死んでしまえば1円ももらえないので、早くもらえてうれしいと話していました。

55歳から59歳まで、現在の満額支給で計算してみます。

5年間の支給総額は、272万7550円です。

義母は今年84歳です。

60歳からずっと30%減額支給です。

減額総額は、561万960円です。

本来支給と比較すると、すでに288万3410円も損しています。

(´Д`)

長生きすればするほどこれからも損をしていきますが、黙るしかありません。

決して、あんたばかあ!とはいえません。

確実性効果がなす人間の業です。

34.1%の年金受給者が同じ道を辿っています。

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参考までに、義母の65歳からの繰り下げ支給(当時)をした場合を計算してみます。

64歳までもらえない年金受給総額は、389万6500円です。

84歳までに加算された年金受給総額は、458万2284円になります。

すでに68万5784円得しています。

しかし、繰り下げ支給を選択する人は、たった1%しかいません。

いつまで長生きするかは誰もわかりません。

だからこそ計算上は得であることがわかっても、早くもらいたい心理が働きます。

 

4 限定合理性

さて本題です。

京都大学で実験を行いました。

(出典:知るポルト「くらし塾金融塾」Vol.45)

A 確率20%で4万円もらえる

B 確率25%で3万円もらえる

としたらあなたはどちらを選びますか?

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80%の京大生は、Aを選ぶそうです。

20%も25%も低い確率です。

であれば、たまたま当たれば大きい金額の方を選ぶわけです。

期待値的にもAは8,000円、Bは7,500円なので正解です。

続いての問題です。

C 確率10%で4万円もらえる

D 確率12.5%で3万円もらえる

としたらあなたはどちらを選びますか?

先ほどA(確率20%で4万円もらえる)を選んだ京大生は、100%C(確率10%で4万円をもらえる)を選びます。

このように一度リスクの高い選択を行った人間は、次は抵抗もなくリスクの高い選択肢を選ぶそうです。

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先ほどは、100%確実なものを選んでいたはずなのに、確実の選択肢がなくなると、リスクの高い選択肢を選ぶという矛盾した行動をとるのが、人間という不可思議な存在です。

でもみなさんも同じではないでしょうか?

株式投資が怖いからやらないといっても、一度経験してしまうとリスクの高い投資にも積極的に攻めていく人は少なくありません。

 

実際株式投資よりも変動の激しい投資信託商品であるブル4.3倍日本株投資信託は、大人気です。

楽天日本株4.3倍ブル | 投資信託 | 楽天証券

日経平均が上がれば4.3倍儲け、下がれば4.3倍損失を被るそうです。

こんな怖ろしい投資信託でも実はNISAで購入できます。

2018.10.4現在投資信託の中で一番人気です。

恐ろしくはないのでしょうか・・・。

( ゚Д゚)

日経平均が500円上がれば2,150円儲けることができ、500円下がれば2,150円の損失です。

管理人にはとてもできません。

しかし、投資に慣れてしまうと怖く無くなるようです。

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5 エデンの園追放仮説

このように人間の行動は、とても不可思議な行動をとります。

明日は何が起こるかわからないから、今日目の前のものを選ぶ。

期待値は高くとも確実に手に入るものを選ぶ。

投資は怖いと貯蓄など保守的な行動をしている人が、一度投資の世界にはまるとどんどんリスクの高い投資に突き進んでいく。

矛盾だらけです。

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インキュベーダーの言葉を借りれば・・・

わけがわからないよ

人間は、エデンの園という庇護された世界で生きてきたことから安全確実な道を選んで生きてきました。

ところが、齧ってはいけない禁断の果実を齧ったがために、エデンの園を追放されました。

追放された人間は、もはや神の下で安全が庇護されません。

自然界の脅威の中で生き延びるには、リスクを選びながら生きて来ざるをえませんでした。

人間の行動には、二つの相反した考えが常に宿っているのは、こうしたDNAを受け継いでいるからだとするのが、エデンの園追放仮説です。

なるほどとうなづくことが多い仮説だとは思いませんか?

6 まとめ

いかがでしたか。

株式投資が怖くて、貯蓄ばかりしていても資産はほとんど増やすことは不可能です。

しかし、投資は怖いと尻込みしてしまう人は少なくありません。

見る前に跳び、絶望の林を抜け、恐怖の森に踏み込めば、あっという間に株式投資の世界に漬かっていることでしょう。

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足を踏み入れるか否かは、みなさんの判断です。

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くれぐれも株式投資は、自己責任において判断されますようお願いします。

ブログと株バカに愛と真の情報を
それでは