最終更新 2019.5.9
ようこそ(^^)/
お金を通じて、人生を豊かに生きるヒントを考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、みなさんは、毎年4月1日付けの日本経済新聞に掲載されるサントリー広告「新社会人に贈る」をお読みになられましたか。
1995年より直木賞作家の伊集院静氏が担当しています。
これがとても泣けます。
サラリーマンの心の琴線に触れます。
思わず涙腺が崩壊する至極のエッセーです。
管理人は、この広告を読むためだけに、毎年4月1日号の日本経済新聞を180円支払って購読しています。
このエッセーを楽しみにしている同僚も少なくありません。
180円を支払っても余りある伊集院静氏の「新社会人に贈る」について語ります。
読み逃した読者の方に、新聞から文字おこしをしましたので、ご一読ください。
- 1 私と日本経済新聞
- 2 4月1日付けの日本経済新聞
- 3 男の夢をすべて叶えた男伊集院静氏
- 4 伊集院静氏だから書ける新社会人へ贈る言葉
- 5 2019年は、新しい人よ。個性を失うな。
- 6 珠玉の作品は2012年作
- 7 まとめ
1 私と日本経済新聞
私事で恐縮です。
管理人は、株式投資ウン十年の株バカ盆栽株主です。
バブル崩壊、ITミニバブル崩壊、リーマンショックそして東日本大震災という未曽有の危機を乗り越え、かろうじて生きています。
株式投資にハマる日は、ある日突然やってきます。
株式投資に目覚めると、熱に浮かされたように寝ても覚めても株式のことばかり考えるようになります。
それはまるで恋に落ちたときと同じで、寝るのも惜しんで、株式のことばかり考えるようになります。
その際の最大の武器は、日本経済新聞です。
現在はリアルで情報が入ってくるネットの時代であり、新聞情報は1日遅れの古い情報です。
しかし、まぎれもなく平成の初めまでは、個人投資家が得られる情報で、もっとも早くもっとも正確な情報は日本経済新聞でした。
ラジオ短波で、毎日の市況を聴き、仕事の合間を縫っては証券会社の店内に入り、リアル株価ボードを見て情報を仕入れる時代でした。
しかしながら、当時から今も変わらず日本経済新聞のボリュームはあまりにも多く、自分なりに解析する時間的余裕が取れません。
また、日経新聞を持ち歩くと、あいつは投資していると周囲からうさん臭い目で見られることもしばしばです。
ネット情報の方がリアルに情報が入り、解析する時間も短縮できるようになり、次第に日本経済新聞から遠ざかりました。
2017年11月1日に23年ぶりに値上げしたのも痛かったです。
1部160円が180円となってしまいました。
日本経済新聞に掲載されるニュースで、その日のうちに株価が急騰したり暴落することは日常茶飯事です。
トレーダーや短期デイを主戦場とする投資家にとっては、日本経済新聞は必須でしょうが、優良株式長期投資を基本とする盆栽投資家は、そこまで読みこなさなくとも十分だと考えています。
管理人は、現在はたまに休日にイオンラウンジに行って、読むくらいです。
だから盆栽株主なのかもしれません。
2 4月1日付けの日本経済新聞
管理人は、4月1日だけは日本経済新聞を購入します。
伊集院静氏のサントリー広告のために書き上げた新成人応援エッセーを読むためです。
サントリーは、ウィスキー販売促進を狙い、4月1日付けの日本経済新聞に新成人に贈るエッセー広告を出しています。
初代の書き手は、エブリマン氏の優雅な生活で有名なサラリーマン小説の第一人者である山口瞳氏です。
1995年に山口瞳氏が急逝されたことを受け、伊集院静氏が今日まで、新社会人広告にエッセーを掲載しています。
3 男の夢をすべて叶えた男伊集院静氏
当初、管理人は伊集院静氏にあまりいい印象を抱いていませんでした。
あまたあふれる芸能界において、現在でも絶世の美女として語り継がれる女優夏目雅子さんと不倫関係にあったことが、とても許せなかったからです。
また、その憎らしいほどの才能は、嫉妬というよりもあきれてものが言えなくなります。
◆野球はプロを目指すほどの逸材
◆超一流企業電通でさまざまな芸能人を育て上げる
◆作詞をすれば、日本レコード大賞作詞賞「愚か者」を受賞
◆小説を書けば、直木賞を始め、さまざまな賞を受賞
◆3度の結婚で、再婚は夏目雅子さん、再再婚は篠ひろ子さんと女優からもてもて
◆2016年には紫綬褒章受章
◆エッセーを書けば男の流儀が大ベストセラーとなる
◆競馬やカジノなどギャンブルは百戦錬磨
天は二物を与えずとはいいながら、伊集院静氏は、二物どころじゃなく、四物も五物も持っています。
こんなに憎らしいばかりの男をなかなか受け入れられませんでした。
4 伊集院静氏だから書ける新社会人へ贈る言葉
しかし、何気なく大ベストセラー「男の流儀」を手に取り読むと、瞬く間のうちに伊集院静氏の虜になってしまいました。
夏目雅子さんとの関係もマスコミが面白おかしく書き立てていただけで、真実の愛であったことも知りました。
東日本大震災で被災し、精力的なボランティア活動もされたことも知りました。
弟が海で溺れて亡くし、そのトラウマに長年苦しんできたことも知りました。
最愛の妻夏目雅子さんを失ってからは、仕事ができず、酒に溺れ、ギャンブルや喧嘩に明け暮れ、人生を失いかけたことも知りました。
こうした壮絶といっていい人生を歩んだ人の言葉は、とても重いです。
さすがはサントリーです。
新社会人へ贈る言葉を提供できる人は、伊集院静氏をおいていないと思います。
5 2019年は、新しい人よ。個性を失うな。
2019年4月1日に掲載されたエッセーです。
日本経済新聞広告から、文字おこしをしました。
今年のタイトルは、新しい人よ。個性を失うな。
うん、今年もとてもいいです。
4月1日は、我が社にもリクルートスーツの新入社員がやってきます。
その初々しさに思わず目を細めます。
管理人のウン十年前の4月1日の初めての入社が重なります。
新社会人おめでとう。
今日、君はどこの街の、どんな職場にいるのだろう。
どんな仕事であれ、そこが君の社会人の出発点だ。
いきなり仕事はできそうかね? ハッハハ、そんな簡単にできる仕事など、世の中にはひとつとしてないよ。
でも大丈夫だ。先輩たちは皆頑張っているだろう。
苦労をしたんですか? そりゃ辛苦のない仕事はないよ。
仕事にマスター法はない。
でも一つアドバイスしておこう。先輩たちのやり方には理由がある。それも身に付けなくてはイケナイが、これからの時代は従来のやり方だけじゃダメなんだ。
なぜかって?
今、世界は日々変化して、新しいやり方、新しいゆたかさ、新しい喜びを求めているんだ。
君は新しい人じゃないか。どうすればいいかって?
君の、君だけにしかない個性がそれを実現させるんだ。
反対されてもかまわない。笑われたってイイ。
社会は、会社は、職場は、その新しい力を求めているんだ。
最後に、君の個性が、自分だけがイイという品性のない卑しいものではないと信じている。出世や金だけが目的の人間になるなよ。人は品格だ。それが人間らしさだ。
少し疲れたら、夕刻、一杯やろうじゃないか。
新しい君に乾杯。
新しい君に乾杯。
伊集院静
品格を持って、自分の個性を新しい力にして挑戦しろというメッセージです。
何も恐れるな!
がんばれ!
6 珠玉の作品は2012年作
個人的には、2012年に発表した落ちるリンゴを待つな。が一番推しです。
新社会人おめでとう。君は今どんな職場で出発の日を迎えただろうか。
それがどんな仕事であれ、そこは君の人生の出発点になる。
仕事とは何だろうか。君が生きている証しが仕事だと私は思う。
大変なことがあった東北の地にも、今、リンゴの白い花が咲こうとしている。
皆、新しい出発に歩もうとしている。
君はリンゴの実がなる木を見たことがあるか。
リンゴ園の老人が言うには、
一番リンゴらしい時に木から取ってやるのが、大切なことだ。
落ちてからではリンゴではなくなるそうだ。
それは仕事にも置きかえられる。
落ちるリンゴを待っていてはダメだ。
木に登ってリンゴを取りに行こう。
そうして一番美味しいリンゴを皆に食べてもらおうじゃないか。
一、二度、木から落ちてもなんてことはない。
リンゴの花のあの白の美しさも果汁のあふれる美味しさも
厳しい冬があったからできたのだ。
風に向かえ。苦節に耐えろ。
常に何かに挑む姿勢が、今、この国で大切なことだ。
夕暮れ、ヒザ小僧をこすりつつ一杯やろうじゃないか。
新社会人の君達に乾杯。
まるで、一片の詩を読んでいるようです。
魂を揺さぶられます。
落ちたリンゴは拾うな!
自分から木によじ登ってリンゴを取りに行け!
困難な壁にぶつかったとき、管理人はこのエッセーを思い浮かべます。
ちなみに管理人は、結婚披露宴の来賓者あいさつで、2度もこのエッセーを借用させていただきました。
評判もよく、ホッとした思い出があります。
今や3つの袋の時代ではないです。
(´Д`)老害
7 まとめ
いかがでしたか?
4月1日発行の日本経済新聞で、サントリー広告を探し、伊集院静氏のエッセーに涙するのが、年度初めの恒例となってしまいました。
希望と不安にさいなまれ、極度の緊張の中入社してくる新入社員を見るにつけ、思わずんばれよ!とエールを送りたくなる年齢となりました。
新入社員たちが、これからそれぞれがそれぞれの人生を歩み、出会いと別れを繰り返しながら生きていきます。
落ちたリンゴは拾うな!
木に登って風雪に耐えたリンゴを取りに行け!
それはややもするとすぐにあきらめ、心が醜い豚になる自身を新入社員に投射し、自分を鼓舞しているのかもしれません。
ブログに愛と真の情報を
それでは