最終更新 2021.11.28 6.21 2020.8.28
ようこそ(^^)/
人生を豊かに安心して生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、我が国では等しく20歳から60歳まで国民年金に加入しなければなりません。
働いていてもいなくとも、サラリーマンであっても、フリーランスであっても、自営業であっても国民の義務です。
ただひとつ、第3号被保険者のみ保険料負担はありません。
第3号被保険者は、第2号被保険者の配偶者として扶養されている主婦及び主夫の方をいいます。
第3号被保険者は、第2号被保険者全体で保険料を負担しているため、最大40年間保険料を負担する必要はありません。
令和2年4月分からの国民年金満額は、781,700円となります。
月満額6万5,141円!
いかにも少ないです。
そこで、2020年5月に年金制度法が改正となりました。
2022年より、最大75歳支給にまで繰り下げることができるようになります!
加算率はなんと84%です!
これはおいしい?
ちょっと待って!
なにかとてつもないワナが見え隠れするような気がします。
年金の繰り上げ支給、繰り下げ支給は、ライフプランに合わせて慎重かつ冷徹に判断しましょう!
一生後悔しないように!
1 年金制度改正
2020年6月5日付けで、年金制度改正法が公布となりました。
いくつか変わりましたが、特にマスメディアが大きく取り上げたのが、年金受給の繰り下げ制度を70歳から75歳に上限を引き上げたことにあります。
マスメディアは、これは将来年金受給年齢を75歳に引き上げる布石ではないかと推測しています。
ただし、現状において、年金受給開始年齢の引き上げは行わないそうです!
(´▽`)
高齢期の就労の拡大等を踏まえ、高齢者が自身の就労状況等に合わせて年金受給の方法を選択できるよう、繰下げ制度について、より柔軟で使いやすいものとするための見直しを行います。現行制度では、60歳から70歳まで自分で選択可能となっている年金受給開始時期について、その上限を75歳に引き上げます。繰下げ増額率は1月あたり、プラス0.7%(最大プラス84%)となります。この制度改正は、令和4年4月から適用され、令和4年4月1日以降に70歳に到達する方(昭和27年4月2日以降に生まれた方)が対象です。
施行は2022年4月1日からです。
年金制度改正法(令和2年法律第40号)が成立しました|厚生労働省
2 驚愕のシミュレーション
75歳から繰り下げ受給開始となると、なんと84%増しで国民年金が受給されます。
781,700円が、1,438,328円に加算されます!
これはすごすぎる!
毎年+656,628円もの上積みです。
一見超お得と思えるのが、国の周到な戦略です。
2019年平均寿命です。
女性87.45歳、男性81.41歳
75歳からの受給だと、女性は12.45年、男性はわずか6.41年しか受給されません。
それではシミュレーションです。
男性の場合
65歳から生涯受給額 12,827,697円
75歳から生涯受給額 8,832,772円
なんと-3,994,925円もの大損です!
女性の場合
65歳から生涯受給額 17,549,165円
75歳から生涯受給額 17,907,183円
女性に限り、+358,018円得することになります。
しかし、65歳から10年間も無年金で、その後も確実に平均寿命まで生きられるとは限りません。
はっきりいって、75歳からの年金繰り下げ受給は死亡リスクばかりで、まったくお得ではないと断言できます!
3 繰り上げ受給の場合は?
年金は実は60歳から繰り上げ受給もできます。
しかし、-30%となります。
満額の場合、547,190円です。
わざわざ減額してまで、60歳からもらいたいの?
意外にも繰り上げ受給する人は少なくありません。
平成30年は12.9%もの人が繰り上げ受給を受けています。
シミュレーションしてみます。
60歳から生涯受給額
男性 11,715,337円
女性 15,020,365円
平均寿命で天寿を全うするとすると
男性 -1,112,360円
女性 -2,528,800円
思ったほど大きな損失とはなりません。
自分が平均寿命までは生きないと判断するのなら、60歳からの繰り上げ受給の選択肢もありということが伺えます。
4 人間は、現在をもっとも大切とする生き物
経済モデルを人間の行動や心理で推測する行動経済学が急速に支持されています。
きっかけは2017年に行動経済学の権威リチャード・セイラー教授がノーベル経済学賞を受賞したことによります。
人間という生き物はとても合理的とは思えない行動を起こすことを行動学的に推定し、経済に生かそうという試みの学問です。
行動の選択肢に望ましい判断を促すことをナッジ(Nudge)理論といいます。
ナッジとは背中を肘で押してやるという意味です。
代表的なものに人間の持つ「時間選好」があります。
有名な実証実験を行っているのが、我が国における行動経済学の第一人者である京都大学の依田先生です。
依田先生は、毎年京都大学の学生向けにアンケート調査を行っています。
選択肢A 今すぐ、10万円を受け取る。
選択肢B 1年後に、11万円を受け取る。
京大生は、毎年80%が選択肢Aを選ぶそうです。
目の前の10万円の方を喜びます。
このことから、人間は未来の不確実なものよりも、現在を最も大切とする時間選好を持つ生き物であるそうです。
まあ、目の前のバナナに我慢できない猿と同じです。
このことからも、年金を60歳から繰り上げ受給する人が1割以上存在することが理解できます。
誰も自分の寿命がわかる人はいません。
だったら、元気なうちに年金を早くもらって、毎日を楽しく生きたいという考え方は、管理人も大いに賛同できます。
75歳からの受給は、想像もつきません。
体も頭も動かなくなり、食べるものも限られてくるのに、84%加算なんていうニンジンに飛びつくのは、よほどシミュレーションをした上に判断された方がよろしいかと思います。
5 まとめ
2022年4月より、年金受給開始年齢が、60歳から75歳まで自由に決めることができます。
65歳を標準として、60歳は-30%、75歳は+84%とものすごい幅が生じます。
しかし、意外にも生涯年金受給総額は、思ったほど差はつきません。
死亡リスクを考えるのであれば、先にもらった方がお得です。
また、体が元気なうちに生き金として使うのであれば、先にもらった方がお得です。
厚生労働省や財務省の狙いは、84%大幅加算というニンジンをぶら下げることによって、あわよくば年金を支払わないという狙いを持っているとしか考えられません!
40年間苦労に苦労を重ねて、年金を支払ったのに74歳までに亡くなってしまえば、国は1円も払う必要はありません。(遺族年金除く。)
だまされるな!
そもそも75歳受給まで、どうやって喰っていけばいいんだよ・・・。
(´-`).。oO
何にしろ、国民年金は満額でも781,700円とこれだけではとても生きていくことはできません。
現役時代にコツコツと貯めておかなければ、老後に泣くのは自分自身です。
ゆめゆめこのことを忘れずにコツコツと地道にやっていきたいものです。
何としても最低でも2,000万円、できれば5,000万円は貯めておきたいものです。
なお、年金繰り下げ受給年齢75歳については、今回は国民年金(老齢基礎年金)を取り上げてシミュレーションしてみましたが、厚生年金(老齢厚生年金)も同様に繰り下げ受給ができます。
ブログと年金に愛と真の情報を
それでは