最終更新 2021.5.28
当記事は2019年6月18日に公開しました。当時と現在とでは株価や社会情勢は激変しています。原文をできるだけ残すため当時のままの内容となっていることをご理解ください。
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、2015年11月4日に日本郵政グループ3社の新規株式公開(IPO)があったことを覚えていらっしゃいますか?
1987年2月に公開したNTT株以来の超大型案件として、世間ではもてはやされました。
NTTの夢よもう一度と株式投資にチャレンジする人が押しかけました。
( ゚Д゚)
新たに45万人もの個人株式投資家が誕生しました。
公開価格は次の価格です。
◆日本郵政 <6178> 1,400円
◆かんぽ生命保険 <7181> 2,200円
◆ゆうちょ銀行 <7182> 1,450円
初値は次のとおりです。
◆日本郵政 <6178> 1,631円 +16.5%
◆かんぽ生命保険 <7181> 2,929円 +33%
◆ゆうちょ銀行 <7182> 1,680円 +15.9%
1日で資産が33%も増える郵政バブルの始まりかと思われました。
IPO申し込みに当選した人は破顔一笑で、外れた人は地団太を踏みました。
悔しくて、初値で購入した人も少なくなかったようです。
( ゚Д゚)
あれから、3年と7ヶ月が経ちました。
まるであの熱狂が、兵どもが夢の跡のようです。
購入した人、初値で飛びついて、現在も保有している人の嘆きは、心中いかほどかとご察しします。
2019年6月18日時点において、株主となったほぼ45万人全員が大きな損失を被っています!
(´Д`)(´Д`)(´Д`)
株式投資の高配当狙いは、つくづくリスキーだと思います。
特に政府保有株は、あの地獄のNTT株でさんざん懲りたはずなのですが・・・。
日本郵政グループ関連株のこれからについて、考えてみます。
なお、株価は様々な要因で常に変動します。
株式投資は、くれぐれも自己責任によりご判断くださいますようお願いします。
- 1 郵政民営化とは
- 2 郵政民営化の流れ
- 3 日本郵政 <6178>の株価
- 4 かんぽ生命保険 <7181>の株価
- 5 ゆうちょ銀行 <7182>の株価
- 6 郵政関連株が急激な下落の理由
- 6-1 政府が日本郵政株第三次放出決定!
- 6-2 日本郵政がかんぽ生命株売却
- 6-3 ゆうちょ銀行投資信託で不適切な販売
- 7 郵政関連株の配当はとてもいい
- 8 まとめ
1 郵政民営化とは
郵政民営化とは、2006年10月郵政民営化法により、国が所管していた郵政事業を株式会社形態の民営化としたものです。
ただし、民営化の何がメリットなのかは、管理人は今ひとつはっきりしていません。
郵政事業に関する国民の権利として、国民共有の財産である郵便局ネットワークを活用し、郵便、郵便貯金、簡易生命保険の基本的なサービスを全国あまねく公平にかつ利用者本位の簡便な方法により、郵便局で一体的に利用できるようにする。
(出典:平成21年10月20日閣議決定)
ただし、いえるのは新たに設立した日本郵政グループの全株式を政府が保有しているということです。
政府は保有している日本郵政グループの株式を市場で売却することにより、巨額の売却益を得ることができます。
2 郵政民営化の流れ
郵政民営化の流れは次のとおりです。
2005年10月に郵政民営化法が公布されました。
公布2年後の2007年10月に郵政民営化がスタートしました。
これまでの郵政事業を5事業に分社化します。
政府は持ち株会社の日本郵政株を1/3まで市場に売却し、日本郵政は銀行事業のゆうちょ銀行と生命保険事業のかんぽ生命の全株式を2017年9月30日までに売却する計画としました。
ただし、その後東日本大震災の発生により、復興費用が必要となり、4社体制とすることにしました。
なお、日本郵政のゆうちょ銀行とかんぽ生命の持ち株の全売却については、2017年9月30日期限から「早期に」と改められました。
3 日本郵政 <6178>の株価
2019年6月18日前場 1,190円
公開価格は、1,400円なので、-15%の下落となっています。
なお、最高値は2015年12月30日につけた1,999円です。
この時買ってしまった人は、-40.52%の下落に苦しんでいることになります。
(出典:ヤフーファイナンスHP)
4 かんぽ生命保険 <7181>の株価
2019年6月18日 2,000円
公開価格は2,200円なので、-9.09%の下落となっています。
なお、最高値は2015年11月30日につけた4,120円です。
最高値で購入した人は、-52.0%の損失です。
もしも1,000株購入していたら、212万円の塩漬けです。
そのつらさ、管理人はわかります。
(´Д`)
天下のかんぽ生命の株が、半値以下となるなんて、誰が想像できたでしょう。
(出典:ヤフーファイナンスHP)
5 ゆうちょ銀行 <7182>の株価
2019年6月18日 1,089円
公募価格は1,450円なので、下げは一番きつく-24.9%の下落となっています。
なお、最高値は2015年11月30日につけた1,823円です。
最高値で購入した人は、-40%の損失です。
(´Д`)
(出典:ヤフーファイナンスHP)
6 郵政関連株が急激な下落の理由
郵政関連株が4月に入ってから下落が著しい理由は3つあります。
6-1 政府が日本郵政株第三次放出決定!
政府が保有する日本郵政株のうち最大10.6億株を2019年秋頃までに売り出すことを決定しました。
保有する25億株あまりの日本郵政株のうち最大10.6億株を売り出す。日本郵政の9日の株価(1286円)から単純計算すると、売り出し規模は1兆3千億円前後となる見通し。同日、売却に向け主幹事証券会社の選定手続きを始めた。
売り出し時期は市場情勢などをみて判断するが、早ければ今秋になりそうだ。
日本郵政株の発行株式数は45億株です。
24%も一気に市場に流れたら、理論上株価は24%下落してしまいます。
株式の希薄化は、下落の要因です。
市場は織り込み済みとするため下落が著しくなっています。
政府保有株はこれがあるから下落が続きます。
NTT株を高値で買ってしまった人は地獄を見ました。
32年経った今現在でも損失を抱えている株価です。
6-2 日本郵政がかんぽ生命株売却
日本郵政は、保有するかんぽ生命株を早期に全売却しなければなりません。
かんぽ生命(7181)は8日、4月中に予定している株式売り出しで、国内外で売り出す普通株の株式数を最大1億5040万3300株に引き下げると発表した。
当初は最大1億8500万株を予定していた。株式を売り出す日本郵政(6178)が、かんぽ生命による8日朝の東証立会外市場での自社株買いに応じ、3459万6700株を売却した。
日本郵政がかんぽ生命への出資比率を目標の水準まで下げるために必要な売り出し株数が減少した。
発行済み株式数562,600,000株のうち、日本郵政はまだ534,000,000株も保有しています。
これからもどんどん売却していくので、これが下落要因となっています。
ゆうちょ銀行も事情は同じです。
6-3 ゆうちょ銀行投資信託で不適切な販売
さらに輪をかけて、ゆうちょ銀行で、不適切な投資信託の販売が発覚しました。
ゆうちょ銀行は14日、不適切な手続きで高齢者に投資信託を販売していた、と明らかにした。233ある直営店のうち、約9割の店で社内ルールに抵触していたとみて実態を調査している。
ゆうちょ銀、高齢者に投信を不適切販売 直営店の9割で:朝日新聞デジタル
高齢者に販売する際に、健康チェックなどを怠ったと報道されています。
しかも、販売上位が、金融庁が問題視している毎月分配型投資信託商品です。
毎月分配型は、複利効果が見込めないため、運用成績が思わしくなく、金融庁としても「顧客本位の投資信託商品ではない」と提言した経過があり、他の銀行では見合わせていた経過があります。
平成28年度はゆうちょ銀行は8,910億円もの投資信託を販売した実績があり、結果的に毎月分配型投資信託商品を買い支えてきた結果となっています。
もし、この問題でゆうちょ銀行が投資信託商品の方向性を変えると、これまで販売重視してきた毎月分配型投資信託商品の運用成績に大きな影響を及ぼすかもしれません。
7 郵政関連株の配当はとてもいい
株式公開後、郵政関連株は、政府保有株放出や投資信託商品の不適切な販売などで下落傾向にあります。
株価が大きく下落したこともあり、3社とも配当はとてもいいです。
日本郵政 50円 4.20%
かんぽ生命 76円 3.80%
ゆうちょ銀行 50円 4.67%
これ以上下落しない底値で買えれば魅力的です。
8 まとめ
NTT上場以来実に30年ぶりに株式公開した大型案件郵政関連株は、45万人もの株主を誕生させました。
その理由は、NTTの再来と郵政バブル長者を夢見たからです。
1987年、当時紅顔(厚顔)の美?青年だったぱんぱん青年は、熱に浮かされたように毎日ラジオ短波で株価実況を聞いていました。
NTT上場のことを知ってはいましたが、お金があるわけなく、ただ指をくわえているだけでした。
売り出し価格は、大方の予想の80万円をはるかに超える119万7000円でした。
職場でもずいぶん購入した人はいたようです。
初値は160万円とバブルの始まりでした。
ぱんぱん青年はただ見つめるしかありませんでした。
4月22日には318万円の高値を記録します。
しかし、ここまでです。
第二次放出、第三次放出を控え、株価はぐんぐんと下落していきました。
当時は500万円になると株価予想紙では盛んにあおっていて、欲にまみれて結局は売れなかった人は多かったと思います。
第二次放出が、確か275万円くらいだったと思います。
味を占めた職場の先輩たちが、出入りの妙齢な証券レディが必ず500万円になるという説明を聞いて、こぞって買っていました。
今、その証券会社は吸収され消滅しています。
会社でも証券会社のセールスは禁止としました。
NTT株はその後も信じられないような下落を続け、45万円前後まで下げつづけます。
318万円が45万円になるのか!
( ゚Д゚)
国が主導した民営化で株価が下落するはずがない!
必ず500万円になると信じた結果がこれです。
何も信じるな!
というジョージソロス氏の名言は普遍的な真実です。
今でも、郵政民営化による郵政関連株で大儲けを煽る記事は、ネット上にはたくさん残っています。
高名な株式評論家や大手証券会社も盛んに煽っています。
しかし、結果は現在最安値を更新中です。
管理人はNTT狂想曲を目の前で見ていたので、郵政関連株のIPO勧誘にも一切関心はありませんでした。
嗚呼!(´Д`)
このパターンはNTT狂想曲と全く同じではないか!
今回の郵政関連株の動きは、NTT株でいつか来た道通った道で経験済みだったのに、30年も経つと人間は忘れてしまうものなのか!
政府放出の動向、日本郵政売却の動向、不適切な取り扱いの再発防止策の徹底等を慎重に見定め、これ以上下がらないと判断したときに買えば、配当利回りが高いお宝資産株となる可能性はあると思います。
ただし、
◆株価はどこまで下落するのか?
◆配当は維持するのか?
◆自社株買いによる消却をするのか?
◆新たな収益ビジネス展開はあるのか?
などさまざまな要因分析が必要です。
その結果を十分に熟慮した上で、慎重に株式投資を考えた方がいいと思います。
くれぐれも株式投資は、自己責任により行われますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは