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お金を通じて、人生を豊かに生きるヒントを考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、ついに東京都築地市場が70年余の歴史を終え、豊洲市場に移転しました。
(出典:東京都HP)
先週、子供たちをディズニーランドに連れて行った際に、寄ろうとしましたが、休日で秋晴れもあったのか人人人であきらめました。
開場が、2018年10月11日で、休日は消費者に開放するのでごった返していました。
( ゚Д゚)
(出典:東京都HP)
もう少し落ち着いたら行ってみようと思います。
さて、豊洲市場は、卸売市場法に基づく中央卸売市場です。
中央卸売市場は、卸売市場法に基づき、農林水産大臣の開設認可が必要です。
市場とは、売りたい人買いたい人が一堂に集まり、適正な商品価格が決定するとても大切な機能を持っています。
また、食料を効率よく円滑に流通させる拠点としての重要な機能を持っています。
しかし、時代は激しく変わります。
中央卸売市場法が制定されたのは、なんと大正11年です。
その後のさまざまな時代の荒波のなかで、昭和45年卸売市場法が制定され、5年に1度農林水産大臣は中央卸売市場の整備計画を策定し、時代にマッチした中央卸売市場を整備することとなりました。
以前は、魚介類、肉類、野菜果物類は、人の住む街であれば、魚屋、肉屋、八百屋という専門小売店がありました。
今や、これらの商売は、スーパーマーケットやコンビニに取って代わられ、激減しています。
しかし、歴史は繰り返されます。
最近は、ネットスーパーのシェアが激増し、百貨店やスーパーマーケットは苦戦しています。
いち早くアマゾンフレッシュなどネットスーパーが確立したアメリカでは、小売り業界第2位のシアーズが倒産しました。
IT企業とスーパーマーケットは、熾烈なシェア争いを演じています。
最近では、西友は生き残りを賭けて楽天と新たなネットスーパーを作ることとしました。
こうした中で、中央卸売市場の重要性はどんどん低下し、統合や閉鎖若しくは地方市場への衣替えなど凄まじい変革の波にさらされています。
総工費3,000億円以上をかけて移転した豊洲市場も、この変革の波とは無縁ではありません。
中央卸売市場が抱える課題について考えてみます。
がんばれ!中央卸売市場!
がんばれ!豊洲市場!
- 1 生鮮食料品流通の仕組み
- 2 卸売市場経由率の激減
- 3 取り扱い高は、四半世紀で半減。。。
- 4 卸売業者の経営状態はきびしい
- 5 仲卸業者の経営はもっときびしい
- 6 全国の中央卸売市場はどんどん減少中
- 7 生き残る方法は拠点市場によるハブ機能
- 8 中央卸売市場関連株式投資の是非
- 8-1 東都水産(8038東証一部)
- 8-2 横浜丸魚(8045 JQ)
- 9 まとめ
1 生鮮食料品流通の仕組み
魚、肉、野菜果物は鮮度が命です。
生産者が出荷した魚、肉、野菜果物が、消費者の手元に渡る方法は、3つあります。
ひとつは、卸売市場に集荷し、出荷者の代わりに販売する卸売り業者が競りを行い、競り落とした仲卸業者や売買参加者(買参人)が、製造者や小売業者に販売し、消費者に回って来る方法です。
国産青果の9割及び水産物の6割が卸売市場経由となっています。
最近増えているのは、卸売市場を経由しないで、出荷者と製造業者や小売業者が直接取引する方法です。
卸業者を経由しないので、中間マージンがかからず安く入荷することができます。
また、出荷者が消費者に直接販売したり、宅配する方法も増えています。
そのため、卸売市場の取扱量は年々減少しています。
(出典:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について」平成26年7月)
2 卸売市場経由率の激減
卸売市場(中央卸売市場と地方卸売市場)の経由率の推移です。
データが少し古いですが、平成元年から四半世紀後、ここまで卸売市場の機能が低下しているとは驚きです。
水産物 74.6%→55.7%
青果 83.0%→60.0%まで激減しています。
3 取り扱い高は、四半世紀で半減。。。
特に水産物の中央卸売市場経由は、劇的に減少しています。
平成元年6兆3,902億円
平成24年3兆8,017億円です。
なんと40.51%もの減少です。
( ゚Д゚)
(出典:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について」平成26年7月)
実は、この金額には相対取引の金額も含まれています。
相対取引とは、売り手と買い手の価格が一致すれば、競りをしなくとも伝票上で取引が終了する取引方法です。
(築地市場)
わざわざ中央卸売市場に集荷しなくともいいので、コストが下がり、どんどん増えています。
以前は、卸売市場法で、商物一致の原則がありましたが、規制緩和となり、競り自体がどんどん減ってきています。
ここまで、商取引が変化するとは想像もつきません。
4 卸売業者の経営状態はきびしい
ここまで卸売市場の機能が減少すると当然卸売業者の経営も厳しい状況となります。
卸売業者は、かつて生鮮食品流通のトップに君臨する事業者でした。
地元でも指折りの企業ばかりでした。
しかし、今や水産卸業者の26.9%、青果卸売業者の15.8%が営業損失を計上しています。
食肉卸業に至っては、60.0%が営業損失を計上しています。
(出典:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について」平成26年7月)
その際たる理由は、小売業界が圧倒的な力を増してしまい、価格決定権が市場原理ではなく、流通小売業界に移ったことにあります。
一番の売り手側だった魚屋、肉屋、八百屋が激減し、超巨大な流通小売業やコンビニ側が売り手になったため、競り自体が成り立たなくなり、相対取引が主流となってしまっています。
5 仲卸業者の経営はもっときびしい
卸業者は、せり売り業であり、実際に小売業者や製造業者に販売するのは、仲卸業者です。
しかし、仲卸業者は卸業者と超巨大流通小売業者の狭間に立ってますます経営はきびしい状況が続いています。
水産物仲卸業、食肉仲卸業は50.5%、青果仲卸業は40.6%が慢性的な営業損失を計上しています。
(出典:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について」平成26年7月)
豊洲市場移転の前に、なんと69もの仲卸業者が移転を断念しました。
「築地から豊洲へ 「移転諦め」水産仲卸廃業69社に」
「豊洲市場オープンに向けて移転準備を進めている築地市場の水産仲卸業者の組合がきょう会見を開き、今後、移転に伴って69の仲卸業者が他の業者に事業を譲り渡して廃業すると発表」
6 全国の中央卸売市場はどんどん減少中
中央卸売市場は、開設者は地方公共団体の長と決まっています。
それも人口20万人以上の市長若しくは都道府県知事と決まっています。
実は都道府県経営の中央卸売市場はたった3つしかありません。
東京都中央卸売市場
大阪府中央卸売市場
奈良県中央卸売市場
あとは、指定都市を中心とした市の経営です。
しかし、中央卸売市場は、莫大な維持管理費用がかかり、全国で地方卸売市場変更、統合、解散、廃業が相次いでいます。
全国中央卸売市場の数は、40都市でわずか64市場しかありません。
平成17年には86市場もありましたが、わずか13年で22市場が消えました。
25.59%の中央卸売市場が、地方卸売市場に変更したり、民間市場となったり廃業しています。
さらに驚くべきことには、水産物中央卸売市場の数は、わずか29都市で34市場しかありません。
豊洲市場のような移転新築は例外中の例外です。
7 生き残る方法は拠点市場によるハブ機能
もちろん認可者である農林水産省では手をこまねいているわけではありません。
卸売市場法により、5年に一度整備計画を立て、中央卸売市場の再編に躍起です。
(平成30年度予算は、約200億円です。)
中央卸売市場が生き延びる方法として期待されているのが、拠点市場による市場のハブ機能です。
水産物中央卸売市場は、全国に11中央卸売市場を拠点市場とし、拠点市場から近隣の中央卸売市場及び地方卸売市場に水産物を流通させ、コストを抑えることが期待されています。
その盟主の役割に豊洲市場が期待されています。
(出典:農林水産省「卸売市場をめぐる情勢について」平成26年7月)
8 中央卸売市場関連株式投資の是非
豊洲市場は、全国から大いなる関心が抱かれています。
世界的な和食ブームもあり、ヘルシーな魚食が見直されています。
豊洲市場もでき関心が高まっています。
8-1 東都水産(8038東証一部)
豊洲市場の卸売業者です。
豊洲市場開業が近づくにつれて、人気化しました。
2,000円前後の株式は、開業直前の10月10日に2,585円まで上がりましたが、暴落し、元のさやに戻りつつあります。
(出典:ヤフーファイナンスHP)
8-2 横浜丸魚(8045 JQ)
横浜の卸売業者です。
なぜ引き合いに出したかというと、理由があります。
会社四季報秋号で、17年連続減収企業トップ1に掲載されていたからです。
( ゚Д゚)
(出典:ヤフーファイナンスHP)
首都圏は、築地市場が強くなりすぎて、周辺の中央卸売市場が青息吐息です。
横浜市南部市場は廃業、千葉市中央卸売市場は地方卸売市場となりました。
豊洲市場が大きくなればなるほど影響は避けられないと思います。
ネットニュースの影響もあり、2018年10月29日は最安値更新です。
9 まとめ
いかがでしたか?
豊洲市場は、さまざまな意味で脚光を浴びています。
しかし、時代のニーズを考えると、世界中から生鮮食料品を集約化し、商物一致で競りを行って価格決定する時代は、過ぎ去ったような気がします。
株式市場もずいぶん前に場立ちは廃止されました。
管理人は株バカなので、何度か東京証券取引所に見に行きました。
それは熱気にあふれた見ごたえのある光景でした。
築地にも何度も足を運び、競り売りも見ていますが、壮観そのものです。
しかし、生鮮食品の安全性や輸送コストや保管コストを考えると、そのコストは誰が出しているの?と思わざるを得ません。
もう少し合理的な方法はないの?と思ってしまいます。
徳川幕府の時代から続く魚河岸文化が、今後どうやって超巨大流通小売業やネットスーパーに対抗していくのか、とても面白いと思います。
その答えが出るときが、株式投資の新たな対象となるのかもしれません。
魚食は日本人にとって、絶対に切り離すことはできないからです。
中央卸売市場では、深夜から競りの準備をして、早朝から競りを始めます。
中央卸売市場は、スーパー開店の10時までには店頭に並ぶ奇跡のような流通を支えています。
豊洲市場を始め、全国の中央卸売市場関係者には、感謝以外贈る言葉がありません。
なんとか、長期低落傾向を創意と工夫により打破してもらいたいものです。
今後の豊洲市場には大いに期待します。
株式投資はくれぐれも自己責任により行われますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは