最終更新 2021.7.3
当記事は、2020年5月25日時点の情報をあえて残しています。アーカイブ記事としてお楽しみください。
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるためには、何よりも健康とお金が大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、みなさんは株式投資に関心をお持ちですか?
マイナス金利政策がひたすら続いており、銀行にお金を預けても利息はコーヒー代にもなりません。
100万円を1年間定期預金に預けても、利息は税引きで79円にしかなりません。
高リスクでも、高配当の株式を購入すれば、配当は夢のような7%台がゴロゴロしています。
しかし、高配当は未来永劫永遠に現状を維持するものではありません。
業績や思惑により常に変動しています。
企業の最大の目的は、企業の存続です。
業績が悪化すれば、減配してでも、企業の存続を守ろうとします。
減配すれば、ほとんどの場合、株価も下落します。
高配当株式投資法は、株式投資の必勝法ではないことを心しておかなければなりません。
4WDの先駆者で、水平対向エンジンで有名なSUBARU(7270)を例に株式投資の怖さをのぞいてみます。
1 SUBARUとは
SUBARUは、先駆的な4WDや水平対向エンジン技術を持つ自動車製造企業です。
発祥は、戦前国内最大の航空機メーカーであった「中島飛行機」です。
あの伝説のゼロ戦を開発したメーカーとして、世界にその名を残しています。
自動車メーカーとしての歴史は、どのメーカーよりも古い歴史を持っています。
世にスバル党と呼ばれる熱狂的なSUBARU愛好者が、少なからず存在します。
管理人の先輩にもSUBARU党の人がいて、酒の席では車の話となるとSUBARUのうんちくが始まります。(うんざり)
2 SUBARUの株価
SUBARUの自動車販売はこの数年絶好調でした。
世界中にもファンはたくさんいて、特にアメリカでは4WDが人気であることもあり、アメリカに進出した日本メーカーとしては、最も成功しているメーカーです。
業績も右肩上がりで、株価もドンドン騰がりました。
アベノミクスが始まった2011年12月頃600円前後だった株価は、2016年及び2017年に5,000円を突破します!
( ゚Д゚)イイナア!
(株)SUBARU【7270】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
管理人は、生まれて初めて購入した株式がマツダだったこともあり、自動車株には長年関心を持って観察してきました。
バブル前、自動車株は斜陽産業といわれ、長く低迷していました。
あの大トヨタの株式でさえ、万年1,800円前後でした。
最後の相場師と呼ばれた是川銀蔵氏だけが、絶対に騰がると主張していたことが懐かしいです。
SUBARUが、ほぼテンバガー(10倍株)となるとは驚きでした。
3 配当性向が異常となる
業績の好調とともに、SUBARUは、積極的に株主還元を始めます。
2016年には、絶好調のため配当金を68円から一気に144円に引き上げます。
しかも、自社株買いも527億円も行いました。
株価は、5,000円を超え、好業績高配当銘柄の一員となりました。
2015年 68円 1.68%
2016年 144円 3.63%
2017年 144円 4.13%
2018年 144円 5.71%
2019年 144円 6.61%
この結果、配当性向は、2019年の時点で78.12%と異常な状態となります。
配当性向とは、純利益のうち株主還元をどれほどにしているかを見る指標です。
優良企業と呼ばれる企業は、配当性向をおおむね20%から30%に設定しています。
稼いだお金を内部留保しておかないといざという時に対応しきれません。
配当性向が70%を超えている状態は、異常な状態といえます。
4 高配当の罠
とはいっても、高配当には管理人も食指を動かされます。
もし、株価が下落したとしても高配当であれば、下落分を相殺してくれると考えるからです。
しかし、実際に減配を喰らうとそのような考えは甘かったということをいやというほど味わいます。
投資家は、減配を嫌がります。
減配予想若しくは減配すると、ほぼ株価は長期下落していきます。
SUBARUの2年分のチャートを見ていきます。
(株)SUBARU【7270】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
2017年1月を境に株価はひたすら下落しています。
株価が下落すれば、それだけ配当利回りが高くなるので、配当金が据え置き若しくは増額を期待して、購入する人は少なくありません。
配当金は据え置かれるという幻想を抱いて、購入するわけです。
2017年から購入した人は、ほぼ全員損失を抱える結果となってしまっています。
しかも、配当が144円から100円に減配されたのでは、泣きっ面に蜂です。
2017年1月 5,016円 144円
2020年5月 2,244円 100円
下落率は、悪夢の-55.3%です。
もし、2017年1月に最高値で1,000株購入していたとします。
配当金こそ14.4万円×3=43.2万円(税込み)です。
損失額は-277.2万円にも上ります。
しかも、税金をしっかり徴収されます。
これが株式投資の怖さです。
明日は誰にも予想できません。
5 高配当株ランキングから、減配でどんどん消えて行く
株式投資を考えている人が、まず見るものといったら高配当株ランキングでしょう。
かつてここにはたくさんの高配当株がランキングされていました。
日産自動車
青山商事
あおぞら銀行
ベリテ・・・
どんどん消えて行っています。
日産自動車は、配当金57円から40円に減配予想としました。
しかし、期末配当を見送っており、予想通り40円配当とするかどうかは未定です。
今年度の収益やフリーキャッシュフローの見通し、及び競争力の強化に向けた将来への投資の必要性を鑑みて、期末の配当を見送る予定です。(2020/02/13)
日産自動車(株)【7201】:リアルタイム株価チャート - Yahoo!ファイナンス
ちょうど1年前に掲載したブログです。
この中では、日産自動車とJTとあおぞら銀行を取り上げました。
いずれも管理人が食指を動かした銘柄です。
配当の動き
日産自動車
56円→ 40円(未定)
JT
154円→154円(据え置き)
あおぞら銀行
154円→156円(2018年184円)
株価の動き(2019.4.26→2020.5.25)
日産自動車
893.3円→375.4円 -517.9円
JT
2,576円→2,024円 -552円
あおぞら銀行
2,709円→1,849円 -860円
もしも、2019.4.26の史上初の10連休前に3銘柄を1,000株ずつ購入していたらと思うとぞっとします。
現在、約200万円も含み損を抱える羽目となっていました。
高配当株は、常に減配リスクがあるので、怖ろしいです。
6 まとめ
高配当株で人気だったSUBARU株が、144円から100円に減配しました。
「この3年間(2019年3月期~2021年3月期)は年間配当144円をベースとし、キャッシュフローに応じて自己株式取得を機動的に実施する」ことを2018年7月に公表しております。
しかしながら、新型コロナウイルスの全世界的な感染拡大に伴い、当社の生産・販売などの事業活動にも多大な影響が出ており、この先の資金需要などを含めて総合的に勘案した結果、誠に遺憾ながら、当期末の配当につきましては、直近の配当予想から変更し、1株当たり28円とすることといたします。
この結果、1株当たりの年間配当金は、既に実施した中間配当金72円と合わせまして100円となります。(2020/05/18)
(SUBARU決算発表2020.5.18より)
今のところ、株価下落の動きはないようですが、減配リスクはこれからもつきまとうかもしれません。
高配当につられて、業績をよく見ないで購入してしまうと、いきなり減配されてしまい、ニッチもサッチも行かなくなって、損切り若しくは長期塩漬けとなってしまうことは、株式投資をしている方であれば、誰しも経験していることではないでしょうか?
これからじわりと新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響は、実体経済に深甚な影響を及ぼしてくるはずです。
減配ラッシュは、まだまだ続くかもしれません。
丸の内の大家さんと呼ばれる三菱地所でさえ、33円から25円に減配計画を発表しました。
丸紅も35円から15円へと減配です。
慎重にIRを読んで、減配の動きをにらみつつ、大胆に株式投資に臨んで、資産を少しでも増やしたいものです。
株式投資はくれぐれも自己責任により行われますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは