最終更新 2020.5.17
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるヒントを提供する当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、みなさんは株式投資に関心をお持ちですか?
日本人は株式投資に対して、あまり良い印象を持っていません。
日本証券業協会(JSDA)が行った「平成30年度証券投資に関する全国調査」でも、日本人の4人に3人は、株式投資を必要なものと思っていないそうです。
つくづく、お金がお金を生む行為を目指す投資に対して、反道徳的という意識が強い国民性だと思います。
小さな頃から道徳で「二宮尊徳」の話や「ありときりぎりす」の話を習っているからでしょうか?
反対に言えば、4人に1人は、株式投資に関心を持っているともいえます。
管理人は、ポンコツ盆栽株主です。
現在28種類の少数株を保有し、滅多に売らず、ただただ株価の上げ下げを盆栽を愛でるがごとく、茫然と見ている底辺株主です。
ですが、生き延びています。
バブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災そして新型コロナウイルス感染症パンデミックでも生き延びてきました。
読者の方の中には、「ぱんぱんぱぱ」などふざけた名前の管理人に対し、破滅を期待されているかもしれません。
株式投資ギャンブル中毒野郎の破滅が見たいと思われているかもしれません。
そうならないように毎日を恐怖と絶望と不安におののきながら生きています。
ですが、何度でもいいます。
世界は市場経済で成り立っています。
誰しも間接的には為替や株式の影響の中で暮らしています。
株式投資は、避けては通れません。
2017年6月26日付けで、シートベルトやエアバッグのトップメーカー「タカタ」が、1兆円7千億円の負債で倒産するという大ニュースが報道されました。
超優良企業とまでいわれたタカタが、アメリカや自動車メーカーへの初期対応及び首脳部の判断がまずかったために、一気に倒産に追い込まれてしまう有様は、企業という存在のもろさ弱さを世に知らしめました。
こういった報道を見れば見るほど、株式投資なんて怖くてやってられないという結論に至ってしまうかもしれません。
ですが、タカタ株の場合、十分に資金を回避することは可能でした。
マネーゲームの成れの果ての結果、最後にババを引いた人が、一番損をすることとなりました。
タカタ株の取り引きを見て、株式投資は大胆かつ慎重に行わないとババを引いてしまいます。
1 タカタ29.6.26付け倒産
タカタという名前を知っている方は、余程の車マニアか、小さなお子さんをお持ちの方だと思います。
タカタはいわゆる部品メーカーであり、世界中のメーカーにエアバックやシートベルトを納めていて、さらにチャイルドシートも作っている企業です。
シートベルトやエアバッグでは、世界トップレベルのシェアを持つ超優良企業でした。
前身の高田が1933年の創立以来、80年以上の歴史を持つ名門企業でもありました。
そのタカタが、3代目社長の対応のまずさもあり、一気に倒産に追い込まれました。
タカタ(株)(資本金418億6200万8250円、品川区東品川2-3-14、登記面=港区赤坂2-12-31、代表高田重久氏、従業員982名)は、6月26日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した。
2 タカタ株のマネーゲーム
タカタのエアバッグが問題となったのは、2009年にアメリカでホンダの車に乗っていた女性が突然のエアバッグの爆発で死亡した事件が発生してからでした。
タカタ製造のエアバッグは、ほとんどのホンダ車に搭載していたことから、ホンダは2008年にはリコールして回収していました。
ところが、アメリカは車検義務のない州もあり、リコールは不徹底でした。
死亡事故は、高温多湿の地域で、管理の悪い車であったエアバッグに使用する金属が固まってしまい、エアバッグが爆発した際に、凶器になってしまいました。
メーカーに過失はないとして、タカタとホンダは賠償を拒否しました。
ところがそこは訴訟の国アメリカです。
全米で同様の事故が多発していたことがわかり、2015年にようやくタカタも全車回収に合意したわけですが、すでに遅きに失してしまいました。
すべては3代目社長というお坊ちゃん社長の決断できない体質にありました。
3代目ボンボン社長のおかげで、グループ企業の社員4万6千人を路頭に追いやりました。
トップの判断ミスで、倒産に至るとは誰も想定すらしていなかったはずです。
タカタの迷走振りに小躍りしたのは、マネーゲームを得意とするハゲタカファンドや株やの怪しい紳士たちです。
当時4,000円から6,000円もあった株価は、ホンダのリコールとともに2009年には700円台まで一気に下がりました。
このときに売る人は、おそらく皆無だったでしょう。
そろそろ戻るとナンピン買いした人が多く、また大損したと思います。
しかし、2009年から偶発的な事故の見通しもあり、2014年には3,000円まで戻します。
このときまでに売却しておけば、大やけどをすることはなかったでしょう。
2014年からは、やはりタカタとホンダに原因があったと世界的に批判の声が上がり、2015年とうとう3代目社長はリコールに同意しました。
その後はまさに奈落です。
2016年には400円台まで下がり、全盛期の5%の株価となってしまいました。
この点ではシャープと同じですが、シャープの場合は不振による経営危機、タカタの場合は事件による経営危機です。
事故は買い、事件は売りという株式売買の格言があります。
タカタの場合は見事にあてはまります。
事故は一過性で会社は立ち直れるが、事件は社会的な影響が強く、真相解明の過程で企業イメージが心理的に悪くなり下がるという意味です。
それでも、怪しい紳士やハゲタカファンドは、上がると煽り、1月には急騰し400円台から1300円台にまで3倍も急騰しました。
しかし、とうとう29.6.26付けで民事再生法が受理され、破綻しました。
タカタ株は、紙切れとなることが決定した瞬間です。
それでも闇の紳士たちは、23日にストップ高という最後の仕掛けを企てました。
こういった株価に追従するのが、個人です。
骨の髄までしゃぶられてしまいます。
毎日ストップ安で、上場廃止の時点で紙切れ確定にもかかわらずです。
いずれ、株価は0円となることが確定しています。
3 タカタ株にみる株式売買の恐ろしさ
タカタ株を6,000円で1,000株持っていた人は、600万円の損失です。
世界的な優良企業ともてはやされていた企業が、事故後10年で破綻に追い込まれるとは誰が想像したことでしょう。
株式売買でもっともむずかしいのは、損切りです。
購入しても下がらないときは、思い切って損しても売ってしまうという高度な手法です。
格言で見切り千両ともいいます。
タカタ株はまさに格言どおりで、すばやく見切って損切りしておけば損を最小限度に抑えることはできたはずです。
でも私にはおそらくできなかったと思います。
いつかは上がる
損はしたくない
という思いが、ズルズルと判断力を鈍らせ、さらにナンピン買い(*)までして、平均単価を下げて持ち続けるのが、普通の投資家の姿です。
株式売買はリスクが大きいことを改めて示したタカタ株だったと思います。
(*)ナンピン買い=難平買い
下がった時点で、同じ株を買って、平均買値を下げる手法。ズルズルとなりやすく、ショートしやすいので悪手とされる。4,000円の株価と400円の時点の株価を2つ持てば、買い単価は、2,200円となる理屈。
下手なナンピンスカンピンという格言は真理です。
4 タカタ株に学ぶこと
企業の存続は、いかにリスク管理ができるかにかかっています。
すばやい社会情勢の変化に従い、対応できる能力を持っているか。
そういった企業風土があれば、まずは安心です。
危ないのは創業者がワンマンで、後継者が育っていない企業です。
業績やチャートだけでなく、経営者の資質や企業体質をしっかり見極めなくてはなりません。
5 まとめ
昨日は、自動車部品関連会社の1兆円7千万円以上の負債による経営破たんという信じられない事件がありました。
すべては3代目ボンボン社長の対応のまずさが原因です。
エアバッグのタカタが民事再生法申請受け記者会見(2017年6月26日)
投資家としては、とても怖ろしい事件でした。
それでも、株式投資は面白いです。
毎日がわくわくします。
この切った張ったのヒリヒリした感覚で、株式投資を行うのはたまらないです。
無論、全財産を使えとはいっていません。
100株でれば数千円から始められる株もあります。
社会に関心を持ち、認知症防止にもなります。
大いに社会勉強にもなるとともに、時事にものすごく関心が高まり、生きる自信がつきます。
いかがでしょうか?
くれぐれも株式投資は自己責任により判断されますようお願いします。
それでは