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ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
先日ブログで、妻が、私の退職後は夫婦でラーメン店を開業することを夢見ていることを書きました。
無論私はやる気はないのですが、俄然、妻は張り切っています。
( ゚Д゚)
いろいろと調べれば調べるほど、飲食店(ラーメン店含む。)のリスクはとてつもなく高いことがわかり、冷や汗たらりです。
当たればデカイが、ほとんどハズレが、弱肉強食の飲食店営業の世界です。
ほんのさわりですが、データから見る厳しい現実をまとめて、ラーメン店開業について、考えてみます。
妻よ!お願いだから止めてくれ!
1 お袋と幸楽苑の中華そばをすすって気づいたこと
日曜日に、久々に実家に行き、お袋と幸楽苑に行きました。
幸楽苑は、福島県が発祥の地で、今やラーメン店の全国一のチェーンにまで成長しました。
2020.5.16現在、東北から近畿地方まで458店舗出店しています。
全国制覇を目指して、北海道や九州地方にも進出しましたが、北海道は味噌ラーメン文化、九州ははとんこつラーメン文化の壁に阻まれ、撤退しました。
また、不採算店のうち、50店舗以上をいきなりステーキに業態変更しています。
幸楽苑はラーメン界で、2003年にはじめて東証一部上場を達成した企業です。
その後、日高屋(ハイディ日高)と丸源ラーメン(物語コーポレーション)が上場しました。
ラーメン業界7,000億円市場といわれる中で、たった3社しか一部上場していないところに、ラーメン店専業の難しさがあります。
お袋と頼んだのは、ご存知中華そばです。
値段は、なんと440円(消費税込)です。
2014年に290円を390円に値上げして、一時期メニュー自体もなくなりましたが、いつの間にか100円値上げして、復活しました。
2019年に、本格チャーシュー4枚としました。
2019年4月10日に、さらに19円値上げし、440円となって復活です。
なお、2019年10月1日以降も価格は据え置きだそうです。
これが、値段の割にとてもおいしいです。
ずっと味噌野菜たんめん(640円)を食べていました。
数年前お袋から教えられて、幸楽苑最安値の中華そばばかり注文するようになりました。
お袋は友人と月に何度か幸楽苑を利用するそうですが、決まって一番安い中華そばを注文するそうです。
人件費高騰、材料費高騰の中で、440円でやっていけるものか考えてしまいました。
なお、幸楽苑は、2018.4.24よりメニューを刷新しました。
なんと390円(税別)で、チャーシューを2枚から4枚に増量し、味も刷新しました。
大冒険です。
2019.4.10 440円税込みに再度値上げ!
↓これで440円はありえないほどお得です♪
投入する「鶏豚濃厚合わせダシ 新・極上中華そば」と「肉と肉汁あふれる新・餃子(ギョーザ)『極』」については「大幅な刷新であり、中華そばは値段を据え置いてチャーシューを2枚から4枚に増やし、ギョーザは肉の量を1.5倍にした。
今後も各商品でおいしさづくりの改革を進める」と述べた。
2 ラーメンの原価
ちょっと驚きのサイトがあります。
先ごろ販売個数1億個を超えたGショックで有名なCASIOが、飲食店の経営コンサルタント業に進出しています。
とても詳しく分析しています。
これによれば、
タレ 1杯 10円~15円
スープ 醤油50円 とんこつ100円 みそ120円
麺 麺150g 60円 とんこつ120g 50円
具材 醤油65円 とんこつ55円 みそ80円
しょうゆラーメン 185円
とんこつラーメン 215円
みそラーメン 270円
だそうです。
440円の中華そばでも、利益率は50%で十分に利益が出ることがわかります。
ただし、人件費、高熱水費、家賃、フランチャイズ料などは加えていません。
3 開業資金(15坪程度)
札幌ラーメンの麺を提供している西山製麺では、HPでラーメン店開業の資金計画を丁寧に説明しています。
それによれば、ラーメン店開業にあたっては、設備資金(1,620万円)と運転資金(60万円)は、必要とのことです。
汚くて古い店では、誰も近づきません。
特にトイレが汚いと、女性は絶対に寄り付きません。
どうしても内装工事や設備一新で新しくて、清潔感のある店をアピールしなければなりません。
ここまでくると、遊びや趣味ではなくなります。
もはや後戻りはできなくなります。
退職金のほとんどをつぎ込んで、勝負できるのでしょうか・・・。
4 毎月の支出科目
原材料を除き、毎月かかる経費は、地代の他に、人件費、光熱水費、リース料がかかります。
家賃は15坪程度でも場所が良ければ月に50万円はかかります。
光熱水費は、醤油ラーメンで5~10万円、スープが命のみそラーメンやとんこつラーメンともなれば、よく煮込まなければならないので、20万円はかかるとされています。
さらに人件費です。アルバイトを1人雇っても15万円はかかります。
目が眩みます。
毎月、固定費用として、80万円はかかり、さらに開業資金1680万円を回収しなければなりません。
ここまで来るとギャンブルです。
5 回収するには1日何杯売ればいいのか?
月に80万円の固定費を粗利益で売り上げなければなりません。
一番粗利益の高いしょうゆラーメンベースで考えてみます。
ワンコイン500円(消費税込)に設定します。
しょうゆラーメン1杯につき、463円-185円=278円の利益が上がります。
80万円/30日=26667円/日
26667円/278円=95.9杯/日
1日に約96杯売り上げれば、固定費は回収できますが、手元には一切残りません。
1日に200杯売り上げれば、固定費を除いて月に80万円ずつ収益を上げることができます。
ただし、15坪だと客席は70%目安とされているので、10坪程度です。
客席は坪当り1.8人が設計の目安とされているので、満員で約18人です。
1人当たり30分として、昼の回転数は最大3回転、夜の回転数は最大6回転程度です。
最大1日18人×9回転=162人となります。
ただし、ボックス席は70%の満席率なので、カウンター席を含めて、最大120人程度となります。
つまり、最大稼働しても、しょうゆラーメン単品だけであれば、1日500円✖120人=60000円の収入です。
固定費を除いた収益は、1日278円✖20人=わずか5560円です。
夫婦で切り盛りしても、年間5560円✖365日=2,029,400円の収益で、1680万円の開業資金を返していかなければなりません。
ざっと8年はかかります。
収益を上げるには、餃子などサイドメニューを充実させて、客単価を高める、アルバイトを雇わないで人件費を浮かす、光熱水費を削るため、スープは既製品を利用するなどの方法があります。
しかし、これらは諸刃の剣で、肝心の客が寄り付かなくなる可能性があります。
6 まとめ
飲食店は10年で9割方廃業する理由がお分かりになられたでしょうか。
これ以外にも、7年に1回程度はリニュアルが必要なこと、什器類は3年に1回は交換が必要なことなどまだまだお金かかります。
これで、客が来ないのでは、まさに地獄です。
脱サラや老後の趣味として、飲食店開業できるほど世の中は甘くはありません。
今日のブログは、何よりも妻に読んでもらいたいです。
妻よ!頼むから、ラーメン店開業はあきらめてくれえええええ!
ブログに愛と真の情報を
それでは