最終更新 2020.1.24 2019.5.15
※当記事は、2018.4.27に書いたものです。現在は事情が変わっていますが、当時の状況をできるだけ残していますので、あらかじめご了承願います。<(__)>
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるヒントを考える当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、みなさんは我が国のEC(電子商取引)( Electronic Commerce)の先駆者である楽天のことはご存じのことと思います。
管理人も、楽天銀行の口座を持っています。
とても便利な銀行です。
マネタイズの際に楽天銀行を口座振込手数料無料指定にしているところが多いなどお得です。
また、楽天トラベルは登録ホテル数が圧倒的に多く、楽天ポイントもついてとてもお得です。
また、楽天モバイルもMVNOですが、三大キャリアよりもリーズナブルな料金設定です。
3月まで娘が使っていましたが、特に不便は感じてはいなかったようです。
ECの先行者利益もあり、楽天銀行、楽天証券、楽天生命など金融分野への進出も抜かりなく、さらに第4のキャリアとして携帯電話の周波数取得が認可され、携帯市場にも打って出るなど、さぞや楽天の株価は高いんじゃないかと思われることでしょう。
そのとおり、2018年4月24日~26日の3日間は三連騰でした。
3日間で上がった株価は、なんと5円ポッチです。
( ゚Д゚)
株価は連日年初来最安値を絶賛更新中です。
楽天の株価はどうしてここまで不人気なのか、これからの捲土重来はあるのか考えてみます。
- 1 楽天(4755)の株価
- 2 楽天の株価が下落する理由その1 携帯市場への参入
- 3 楽天の株価が下落する理由その2 Amazonとヤフーの攻勢
- 4 楽天の株価が下落する理由その3 増資への不安
- 5 楽天株は買いか
- 6 風が吹けば桶屋が儲かる
- 7 まとめ
- 8 追記(2020.1.23)
- 9 楽天は、1円ストックオプションを繰り返している企業
1 楽天(4755)の株価
楽天の直近1年間の株価チャートです。
2017年6月に1400円だった株価は、2018年4月にとうとう800円を切りました。
真綿で首を絞められているような下落チャートはそうはありません。
(引用:ヤフーファイナンス)
日経平均株価は、2018年2月の世界同時株安でまだ1割ほど戻っていませんが、2017年は1年で約20%も上がっている中で、楽天はほぼ半値です。
日経平均に連動したとしたら、1400円は1700円にはなっているはずですが、現実には800円を切る事態となっています。
(引用:ヤフーファイナンス)
2 楽天の株価が下落する理由その1 携帯市場への参入
楽天の株価が下落する最大の理由は、携帯市場への進出です。
Docomoとauとソフトバンクがしのぎを削っている市場に、参入して果たしてシェアがとれるのか、市場は懐疑的になっています。
現在の楽天モバイルは、Docomo(MNO)から通信設備を借り受けて事業展開しているMVNO事業者です。
2018年2月の市場調査では、MVNOの利用率は、10.1%と初めて携帯市場の1割を突破しました。
MVNO市場のシェアの22.2%を楽天モバイルは握っており、シェアは第1位です。
こうした需要を背景に、楽天は携帯市場への参入を決め、先日事業認可が下りたばかりです。
日経新聞の記事は、実効性への疑問などかなり辛辣です。
何しろ設備投資額は、6,000億円ポッチだからです。
キャリア各社は、年間数千億円を設備投資して、保守管理に努めており、投資額はあまりに少なくて大丈夫なのかと疑問を抱いています。
設備を作れたとしてもメンテナンスやサービス、通話品質の維持の方がむしろ肝心だ。総務省の電波監理審議会は「基地局の設置場所の確保や工事業者との協力体制の構築に努める」「必要な技術要員を確保して配置する」など、4項目の注文をわざわざつけた。携帯事業者へ向けた準備はこれからが正念場となる。
3 楽天の株価が下落する理由その2 Amazonとヤフーの攻勢
楽天市場は、EC市場の先行者として、確固たるシェアを握っていますが、Amazonの攻勢に勢いは陰っているように見えます。
EC市場でのシェア(20.1%)もついにAmazon(20.2%)に抜かれ、第2位に転落しました。
楽天の株価は、10年来の最高値(2395.0円、15年4月10日)の、ほぼ半分の水準にまで落ち込んでいる。
日経平均株価がこの間、16.6%高と活況に沸いているなかで、楽天はマイナスに沈み、ECで“ひとり負け”の構図だ。
株価低迷の最大の原因は、米アマゾン・ドット・コムとの競争激化だ。
ニュースサイトで読む: http://biz-journal.jp/2018/01/post_21873.html
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楽天、アマゾンに「敗北宣言」…ポイントをためる意味消失か | ビジネスジャーナル
4 楽天の株価が下落する理由その3 増資への不安
楽天の資金は豊富にあるとされ、携帯市場への設備投資6,000億円も市場からの調達はしないと宣言しています。
しかし、市場は懐疑的です。
また、増資するのではないかという懸念が株価を下落させているというアナリストも少なくありません。
17年12月に携帯電話事業参入を公表して以降、「設備投資目的で公募増資を実施するとの見方が広がり、1株利益の希薄化を懸念した投資家の売りが続いている」
<東証>楽天が一段安 1年11カ月ぶり安値「増資懸念の売り」 :日本経済新聞
楽天は、過去7回増資を繰り返し、その都度株主を阿鼻叫喚の地獄へ突き落しています。
管理人もJASDQCの頃、700円台で買おうとしていて、そのうちぐんぐん上がってしまい、いつものように臍を噛んでいました。
しかし、2015年6月に突然の増資を発表しました。
それ以来、楽天の株価は、ひたすら下落基調が続いています。
アベノミクスで日経平均株価が2倍以上になっているにもかかわらずです。
株主にやさしくない企業と見ざるを得ません。
ところで上場株の中には、業績の悪さをカバーするために増資を何度も繰り返すような企業がある。
そうなるとその企業の株はひたすら価値が下がっていく。
もちろん東証1部の大企業にはそのような行為をする企業は少ないが、新興市場には存在している。
5 楽天株は買いか
こればかりは、管理人は予想できません。
株式は何が起きるかわからないからです。
楽天モバイルの設備工事が順調に進み、利用料などを劇的に下げて利用者の囲い込みを行えば、爆騰する可能性もあります。
ただし、ナンピン買い下がりは悪手であることは間違いありません。
この1年反騰を信じ、買い続けた株主もそろそろ資金がショートしているのではないでしょうか。
チャートの中から阿鼻叫喚のうめき声が聞こえてきそうな怖ろしさを感じます。
年末の頃、楽天株が1000円を切るかどうかとなり、ここで買わない奴はバカとか買い優勢の辛辣な書き込みが圧倒的でした。
しかし、その結果はさらに2割も下がって700円台です。
あの頃盛んに煽っていた人たちは一体どこへ行ってしまったのでしょうか?
底がどこかを見定めないと(増資は絶対しないなど)投資は、相当に厳しいと思います。
6 風が吹けば桶屋が儲かる
しかし、さまざまな投資方法はあります。
突然国内に6000億円の巨大市場が出現します。
それを狙っての関連企業への投資が可能かもしれません。
風が吹けば桶屋が儲かる投資方法は、株式投資の常とう手段です。
こんなときこそ会社四季報の出番です。
大いにチャンスはあると思います。
7 まとめ
楽天を通じて、移ろいゆくIT界の変化と投資への未来予想図を管理人の考え方をまとめてみました。
果たして、これから6,000億円を賭ける第4のキャリア楽天モバイルは成功するのでしょうか?
周波帯数1.7GHzは、電波が届きにくいとされていますが。。。
投資家ならずも、これからの展開に興味津々です。
成功すれば、株価は数倍に跳ね上がるかもしれません。
失敗すれば。。。
株式投資は自己責任です。
余裕資金の中で、自己責任により判断されますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは
8 追記(2020.1.23)
楽天の株価は、5Gの加速度的普及が、設備投資を抑えることが可能として、一時的に上昇に転じました。
しかし、基地局の設置は遅々として進まず、すでに総務省より3回も行政指導が行われています。
2020年1月23日にようやく基地局を4,000局設置したと発表していますが、まだスタート時期は未定です。
これを受け、株価は、再び下落基調が続いています。
(出典:ヤフーファイナンスHP)
市場は、携帯市場への参入に成功すると見ているのでしょうか?
9 楽天は、1円ストックオプションを繰り返している企業
楽天は、従業員への報酬として、1株当たり1円で交換できるストックオプションを繰り返しています。
これは言ってみれば、従業員への退職金のようなもので、業績を上げて頑張れば、与えられた権利を行使して、高値で株式を交換できるという仕組みです。
しかし、当たり前のことながら、1円ストックオプションを繰り返せば、株式数が増え、希釈化が進み、株価が下がる原因となります。
2012年 9,000,000株
2013年 8,000,000株
を社長を含む役職員に対し、1円ストックオプションを実行しています。
役職員は、実質ただで、17,000,000株を手に入れることができます。
888円としても、約150億円です。
売却すれば、大量の株式が市場に流通することになり、必然的に株価は下がります。
役職員はウハウハで、泣くのは株主の構図が、過去楽天では繰り返されてきました。
これほど株主を軽視している制度はないと、投資の神様ウォーレン・バフェット氏は、ストックオプションを繰り返す企業は、投資の価値もないと言い切っています。
バフェットは「ストック・オプション」制度に断固反対している。バークシャー・グループでは、買収した企業にもともとその制度があった場合を除き一切採用しない。「ストック・オプションは、株主の懐の財布に手を出す行為」=「泥棒」であるとまで言って糾弾しており、米国では大きな論争になった。
投資の神様バフェットが「投信を買ってはいけない」と忠告する理由(大原 浩) | マネー現代 | 講談社(1/3)
楽天が、増資や1円ストックオプションを繰り返してきた歴史をしっかりと踏まえた上で、株式投資の対象とするかどうか考えるべきです。