2018.7.19最終更新
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お金を通じて、人生を豊かに生きるヒントをアツく語る当サイトの管理人「ぱんぱんぱぱ」です。
さて、オバマ大統領は、TPP(環太平洋パートナーシップ)協定に大変積極的でした。
加盟国内の関税を90%減らして、自由な貿易を進め、経済を活性化することが狙いでした。
しかし、トランプ大統領はアメリカンファーストを掲げ、貿易協定は二国間の協定(FTA)によるべきであると主張し、TPPから脱退してしまいました。
超大国アメリカと二国間協議で貿易協定を締結すれば、江戸時代末期の日米通商修好条約と同じく、アメリカが有利になる協定となることは目に見えています。
TPPは、アメリカ抜きでも進めるしかなく、日本主導の中、2018年3月8日付けで、ようやく協定が締結しました。
世界は、EU圏、TPP圏、中国AIIB圏、ASEAN 圏、そしてアメリカとブロック経済ができつつあります。(他にもAUやACPなどの経済圏もあります。)
アメリカが脱退し、TPPはほとんど実効性を有さない協定と揶揄されていますが、超大国アメリカにもの申すには、各国が手を結ぶしかなく、ジワリとその存在感を示し始めています。
2018.7.17には、EUを脱退するイギリスは、TPPへの参加を検討しています。
TPPにアメリカが参加しないことで、当面、酪農農家、生産農家、果樹農家はホッとしています。
一方で、2018年7月17日、これからの日本の将来を左右しかねないEUとの間の経済連携協定(EPA)( Economic Partnership Agreement:経済連携協定)が締結されました。
日本とEUの貿易は、世界貿易の37%を占める巨大な貿易を行っています。
EUとのEPAは、これからの日本の暮らしに革命を起こします。
今回は日欧EPAがもたらす食生活革命について考えてみます。
ヨーロッパが大好きな人は必読です。
1 EPA(経済連携協定)とは
EPAとは、平成26年日本再興戦略で方針が決定された貿易や投資の自由化・円滑化を進める協定のことです。
いわゆるアベノミクスの本丸第3の矢の「成長戦略」の一つです。
関税の障壁など、国内外の市場にまたがる制度面の障害をクリアし、より自由に活動できるようになります。
貿易協定には、FTAとEPAがあり、さらにTPPもあって、とてもわかりにくい協定です。
FTAは限定的で、主に2国間の貿易協定ですが、EPAは地域間で貿易に留まらず投資や知的財産までの幅広い協定と理解するとわかりやすいです。
外務省の定義
FTA:特定の国や地域の間で,物品の関税やサービス貿易の障壁等を削減・撤廃することを目的とする協定
EPA:貿易の自由化に加え,投資,人の移動,知的財産の保護や競争政策におけるルール作り,様々な分野での協力の要素等を含む,幅広い経済関係の強化を目的とする協定
2 現時点でわかっている関税撤廃項目 輸入品
2-1 ワイン
現行関税 15%または1Lにつき125円→ 2019年 0%(即時撤廃)
なんと、EU内のワインの関税が、協定が発効する2019年に完全撤廃となります。
ワイン通にとっては、夢のような毎日がやってきます。
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1本3,000円であれば、450円安くなって、2,550円となります。
超高級のドイツワイン「トロッケンベーレンアウスレーゼ(Trockenbeerenauslese) 」も安くなります!
国内のワイン業界、日本酒業界、焼酎業界、ビール業界、ウィスキー業界にもろに影響しそうです。
2-2 豚肉
安い豚肉 1kgMAX432円 → MAX50円
高い豚肉 関税4.3% → 撤廃
豚肉の輸出は、実はEU29カ国(イギリス含む。)が世界一の輸出国です。
日本は125万トン(2016年9月)の豚肉を輸入しています。
日本は、実に世界の輸入豚の2割を消費する豚肉天国です。
EUとしては、関税を下げて、ライバルのアメリカ、中国、ブラジルより優位に立ちたいという思惑があります。
出典:畜産産業振興機構
日本の黒毛和牛よりも高級なスペイン産イベリコ豚も、関税4.3%が撤廃されれば、少しは安くなり、庶民の口に入りやすくなるかもしれません。
相場 1kg 6,000円 →1kg 5,742円へ
2-3 パスタ
1kg 30円 15年かけて関税0円へ
日本人はパスタが大好きな民族です。
H28の消費量は、278,295トンです。
国内品 133,823トン
輸入品 145,021トン
平成28年にパスタは、初めて輸入品の方が上回りました。
1kg 30円であれば、145,021×1,000×30円=43億5,063円の関税がかかっていることになります。
この関税が撤廃されれば、国内の製粉業者は大打撃を受けることは目に見えています。
日本人は本物志向で欧米信仰が根強いので、関税が撤廃されれば、国内小麦関連産業は、大変な事態になるかもしれません。
2-4 チーズ
ソフトチーズ 関税 29.8% → 15年で撤廃の方向(未確定)
ハードチーズ 関税 29.8% → 段階的に撤廃の方向(未確定)
日本人は西洋志向が顕著なため、国内のチーズ消費量は飛躍的に延びています。
わが国におけるチーズの総消費量は、1990年度の153,325トンから2015年度の320,519トンに、倍以上に増加しました。
チーズの総消費量は、2年連続で増加し、14年度が298,278トン(前年度比1.0%増)、15年度が320,519トン(同7.5%増)であった。また、チーズの総消費量に占める国産の割合は、2年連続で低下し、14年度が16.6%(前年度から0.9ポイント低下)、15年度が15.3%(同1.3ポイント低下)であった。
(出典:農林水産省)
現在でさえ、国産チーズの割合が15.3%で低下傾向にある中で、29.8%の関税が撤廃となれば、国産チーズは壊滅的な打撃を受ける可能性があります。
3 現時点でわかっている関税撤廃項目 輸出品
自動車 関税10% → 7年で関税撤廃
自動車部品 関税3~4.5% → 即時撤廃(9割)
テレビ 関税14% → 5年で関税撤廃
こうしてみると、日本は輸出立国なので、国内の農業や酪農にはダメージがあってもドル箱の自動車産業や電機産業に稼いでもらうという姿が透けてみえてきます。
自動車やテレビの関税が撤廃されれば、EU内での自由競争となり、より品質の良い製品やアフターケアの良い製品が売れることになるので、対等な競争が可能となります。
そこに日本の再生するチャンスがあるというのが、アベノミクスです。
(ただし、EUには、ご存知の通りベンツ、BMW、VW、アウディ、ルノー、プジョーなど競合メーカーがひしめき、日本車市場の進出を阻んでいます。いくら市場開放とはいえ、進出はかなり厳しいと予想されます。)
4 まとめ
いかがでしたか。
2019年以降、日本人の暮らしは激変し、産業構造が大きく変わることが予想されます。
零細な農業や酪農は維持できなくなり、民間企業が農業分野に参画することが増えていきそうです。
そうなれば農作物や酪農品の工業化も可能となり、より安く、より安全でおいしい農産物や酪農加工品の流通が増える可能性を秘めています。
一方、食生活は大いに変わり、EUで作ったものが食卓に安価に流通することが予想されます。
まさに地球のグローバル化です。
我が国は、鎖国取り止め以来の第二の開国の時代に突入とまで言ってもいいのかもしれません。
この後は、最大の難敵アメリカとのFTAが待っています。
アメリカはすでに日本の自動車の関税を25%に引き上げると宣言しています。
こうした変化にいやおうなく市民は巻き込まれ、市民はこの変化の中で泳いでいかなければなりません。
輸入食品は怖いなどといってはいられない時代がもうすぐやってきます。
また、この日欧EPAに絡んで、さまざまな企業が今後多かれ少なかれ影響を受けます。
影響を諸に受ける企業については、今のうちから関係株式を購入若しくは売却しておくという手もありそうです。
すごい時代に生きていることにワクワクします。
くれぐれも株式投資は自己責任により判断されますようお願いします。
ブログに愛と真の情報を
それでは