最終更新 2020.12.11
ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、最近コンビニエンスストアのフランチャイズ契約が、あまりに残酷すぎると物議を醸しています。
いうまでもなく、コンビニの存在意義は、24時間営業にあります。
今は24時間営業形態の店は、どこにでもあふれています。
昭和な話で恐縮ですが、管理人が学生の頃はコンビニはほとんどなく、夜行性の学生にとってはつらいものがありました。
あるのは、吉野家とピンク系深夜映画館と深夜喫茶とサウナくらいなものでした。
風俗営業法もきびしく、深夜営業のスナックも少なかったと思います。
管理人は3日間ぶっ通しの徹マン(徹夜麻雀)をしたことがありますが、朝日が黄色く歪んで見えて、フラフラとなった記憶があります。
24時間営業を生業とする仕事は、想像を絶するお仕事だと思います。
コンビニオーナーの中には、その過酷な労働に悲鳴を上げるケースが出始めているのは、当然のことと思います。
つい先日もコンビニの24時間営業が過酷というニュースが駆け巡ったのは、みなさんもご記憶のことと思います。
大阪でセブンイレブンを営む店主が、バイトが見つからず、家族で営業を続けていたけれど、高齢で24時間営業が限界となったそうです。
そこで、コンビニフランチャイズ本部に届け出しないで、営業時間を午前6時から午前1時までにして、24時間営業を止めたそうです。。
フランチャイズ本部のセブンイレブン側は、これを契約違反として、違約金1,700万円の請求と契約解除を要求しました。
この扱いが過酷過ぎて、まるで奴隷契約ではないかと騒ぎになっています。
利益追求主義のセブンイレブンに対して、マスコミの論調は、とても批判的です。
確かに24時間営業形態の事業を個人事業主が生業(なりわい)として持続し続けることは、過酷であることは間違いありません。
しかし、純粋にビジネスから見れば、管理人は、このオーナーさんの行為は理解不能です。
読者の皆さんは、フランチャイズ本部のセブンイレブンとフランチャイズ店のオーナーのどちらの言い分が正しいと思いますか?
ビジネスというものは、契約がすべてです。
きびしいようですが、契約を履行できないものは契約解除の論理は、社会の根本原則ではないでしょうか?
- 1 コンビニ経営はつらいよ?
- 2 コンビニ経営は高収益?
- 3 ロイヤリティ料はすさまじい
- 4 手取り額がどんどん減っていく
- 5 所得税、社会保障費用、税理士費用
- 6 手取り額を増やす方法
- 7 オーナーは覚悟が大切
- 8 コンビニ経営における大家さん商法
- 9 まとめ
1 コンビニ経営はつらいよ?
コンビニ経営は、過酷であるとはよく聞きます。
◆フランチャイズ料が高く、いくら売上げを上げても持って行かれる。
◆24時間営業のため、光熱費と人件費がかかりすぎる。
◆アルバイトやパートが見つからない
◆設備投資費用がないと、返済で、手取り分が極端に減る
◆個人事業主のため、社会保障費用負担がつらい
◆さまざまなトラブルリスクを抱える
◆競合店が近くにできれば、影響は計り知れない
会社という社員を守る組織から離れ、個人事業主(オーナー)になったからには、さまざまなリスクを抱えるのは、当然です。
そこがオーナーの腕の見せどころではないでしょうか?
オーナーになったのであれば、リスク管理を行う覚悟が必要だったはずです。
2 コンビニ経営は高収益?
コンビニオーナーの収入は、企業秘密なので明かされてはいません。
ただし、さまざまなネット情報では、コンビニオーナーの年収は、平均700万円前後ともっぱら噂されています。
ただし、凸凹があるのは当然であり、年収300万円から2,000万円の幅があるそうです。
話題のセブンイレブンで調べてみます。
流通ニュースによれば、セブンイレブンの2018年2月期のチェーン全店売上高は、4兆6780億8300万円です。
コンビニ/12月既存店売上セブンーイレブン、ファミマ増、ローソン減(2019.01.11)|流通ニュース
店舗数は、2019年3月15日現在、2万876店です。
セブンイレブン全店売上高を国内のセブンイレブン店舗数で割れば、1店当たりの平均売上高が計算できます。
1店舗当たり2億2,408万9,050円の売上高です!
( ゚Д゚)
1月当たり1,867万4,088円
1日当たり61万3,943円
すごい!
すごすぎます!
あんな小っちゃな店舗でも年商2億2400万企業です!
憧れの脱サラではないでしょうか!
3 ロイヤリティ料はすさまじい
コンビニ1店舗で2億2400万円のボロもうけと考えるのは早計すぎます。
当然ここから引き算されます。
空気を売っているわけではないので当然です。
セブンイレブン公式フランチャイズ募集サイトから見てみます。
土地も建物もなくとも開業ができる仕組みです。
土地や自宅を持っていない場合は、開業資金が300万円かかります。
研修費 50万円
開設準備手数料 150万円
開業時出資金 100万円
300万円あれば、セブンイレブンのオーナーになることができます。
また、光熱水費は80%分を本部が負担してくれます。
最低年間収入も2,200万円以上を保証してくれます。
しかし、そんな甘いものではありません。
ロイヤリティ料が発生します。
土地や建物を所有している人は、売上総額の粗利益の43%、持っていない人は売上高に応じて最大76%も持って行かれます。
( ゚Д゚)
多くをオーナー側が用意するパターン(もともと酒屋など自らの土地で小売店を経営していたオーナーはこの形態を選択することが多い)では、粗利益の43%をセブンに支払うことになる(ローソンやファミリーマートは30%台)。
例えば、1000円の商品を700円で仕入れて300円の粗利益を得たとする。
ロイヤリティはここにかかってくるので、この場合には300円の43%、つまり129円をセブン側に支払うことになる。
仕入れ値原価が7割とします。
年間売上高2億2400万円の粗利益は、6,720万円です。
ここから、ロイヤリティ料が最大76%持って行かれると、オーナーの年間収入は1,612万円となります。
ここから、廃棄ロス費用、光熱水費20%、人件費を抜いた分が、オーナーの儲けとなるわけです。
アルバイトを時給800円で二人雇えば、8時間交代で、467万2000円人件費がかかります。
煌々と照らした光熱費の20%といっても年間100万円以上はかかると思います。
食品ロス費用は、すべてオーナーの自腹です。
500円の弁当が3個売れ残れば、1日1,050円の損失です。
年間当たり、約40万円の損失です。
そのほか新聞、雑誌、賞味期限切れ食品など廃棄ロスのリスクは、コンビニの存亡にかかる課題です。
まさにオーナーの腕の見せ所です。
年間数十万円~数百万円の差になって現れてくると思います。
4 手取り額がどんどん減っていく
売上額が2億2,400万円あっても、どんどん減って行きます。
売上額 2億2400万円
粗利益 6920万円
ロイヤリティ料 1612万円
アルバイト代 1145万円
光熱費 1045万円
廃棄ロス 845万円~1045万円(A)
5 所得税、社会保障費用、税理士費用
オーナーは個人事業主なので、収入には確定申告をしなければなりません。
サラリーマンの行う医療費控除やふるさと納税寄付金控除のレベルではありません。
年間平均2億2400万円を管理するためには税理士の雇い入れは必須です。
また、個人事業主となると社会保険から国民健康保険に切り替わります。
サラリーマンの妻の特権である第3号被扶養者から外れることになるので、夫婦2人分の年金を納めなければならなくなります。
単純計算で、所得税は20%
税理士費用は、約30万円
国民年金保険料は、平成31年度は一人16,410円/月なので、2人で39万3,840円
国民健康保険料は、自治体や年収によって異なりますが、年収700万円とした場合、年間60万円前後です。
これらを合わせれば、年間200万円前後です。(B)
A-B=645万円~845万円となります。
コンビニオーナーの年収は、約700万円という俗説は、概ね正しいといえると思います。
6 手取り額を増やす方法
手取り額を増やす方法は、売り上げを増やすことですが、競合店が増えている中で、なかなかきびしいのではないでしょうか?
となれば固定費を減らすことです。
特にアルバイトを雇わないで、家族で経営すれば人件費はそのまま収入となります。
また、廃棄ロスを極力減らす発注スキルを身につけることです。
さらに粗利益の高い商品構成とすることが求められます。
粗利益の高い商品は、コーヒーです。
仕入れ値が15円程度です。
85円の76%を本部が持って行っても、20円オーナーが儲かります。
おにぎりは1個当たり9円程度しか儲からないので、コーヒーの利益率はすごいです。
廃棄ロスもないので、カウンターコーヒーはあっという間に全部のコンビニに広がりました。
7 オーナーは覚悟が大切
コンビニモデルは、24時間営業がすべてです。
夜中に売り上げが下がっても、フランチャイズ本部には確実に43%から76%のロイヤリティ料が入ります。
光熱水費の80%を負担しても、儲かる仕組みです。
これに反旗を翻しても、基本的にこれまでコンビニが首を縦に振らなかったのは、当然です。
しかし、世の中は働き方改革で、24時間営業の労働搾取に対して、厳しい目線でいることにさしものセブンイレブンも空気を読んで、大阪の店舗への契約違約金はとらないし、契約解除はしないと発表しました。
しかし、本当にこれでよいのでしょうか?
そもそもフランチャイズ加入の際に条件を提示し、納得したからこそフランチャイズに加盟したわけです。
アルバイトが見つからないから、家族が手伝えないからという理由で、勝手に営業時間を短くすることは契約違反ではないでしょうか?
アルバイトが見つからなければ、もっと賃金を高くする
フランチャイズを脱退して個人商店とする
選択肢はあるはずです。
セブンイレブンの看板を背負ったまま、営業時間を短くしたいというのは、あまりにも身勝手ではないでしょうか?
リスク管理できなければ、フランチャイズに加盟すること自体がまちがっているのではないでしょうか?
今どき年収平均700万円のビジネスモデルを提供してくれる仕事は、滅多にあるものではありません。
覚悟が必要であると管理人は思います。
8 コンビニ経営における大家さん商法
コンビニ経営を始めるのであれば、オーナーとなってアルバイトを高給で雇い上げ、複数店舗展開するのがもっとも効率的です。
人件費を増やせばアルバイトは必ず集まります。
1店舗当たりの収益は少なくとも複数店舗で展開すれば、オーナーは店頭に立たなくとも勝手に利益が上がっていきます。
労働を搾取する構図です。
似たような世界はいくらでもあります。
建設業界における子請け、孫請け
クラウドワークスにおける子発注、孫発注・・・。
コンビニ業界の搾取を嘆き不平を訴えるのであれば、搾取する側に立てばいいだけのことです。
社会における働き方改革とは全く論点が違います。
アルバイトが集まらないから、夜間の売上げが赤字だから、経営がきびしいから、24時間営業を一方的に破棄するという行為は、ビジネスの世界では許されるものではないと思います。
9 まとめ
おまえバカか!
現に困って苦しんでいるオーナーの気持ちに寄り添えないのか!
という批判はあろうかと思います。
しかし、フランチャイズ契約の際に、24時間営業については十分に説明を受けたはずです。
ルールを破るのが正義ではなく、ルールの中でどうすればいいのかを考えることが今回の騒動の原点にあると思います。
そんなに嫌ならフランチャイズから脱会すればいいだけのことです。
それでは客は集まらないし、仕入れにも支障が出ることになるはずです。
だから脱会できない。
脱会はしないけど、24時間営業は短縮したいのでは、まるで子供の我がままにしか聞こえてきません。
じゃあ、これまで雇っていたアルバイトは金さえ払えば、労働条件はよかったの?
同じ論調できびしく指摘している方のリンクを貼ります。
多様な意見はあろうかと思いますが、ビジネスマンの端くれとして、今回の騒動は騒動にすること自体どうにも疑問に感じます。
無名弱小ブロガーの些末な意見として、受け止めていただければ幸いです。
セブンコーヒー1杯で、オーナーには20円が懐に入り込みます。
ブログに愛と真の情報を
それでは