ようこそ(^^)/
人生を豊かに生きるためには、健康とお金がとても大切と考える当サイトの管理人ぱんぱんぱぱです。
さて、みなさんは行動経済学をご存じですか?
とても面白い学問です。
2017 年、リチャード・セイラー教授が行動経済学への貢献によりノーベル経済学賞
を受賞しました。
行動経済学とは経済学に心理学や社会学を取り入れた学問です。
人間は高度な知的生物ですが、必ずしも合理的には行動しません。
バーゲンセールでつい大量に買ってしまった。
少しだけと競馬やパチンコで、有り金全部使ってしまった。
なんていう苦い経験はありませんか。
管理人は学生時代パチンコで生活費を使い果たし、2週間米とみそと水だけで生き延びた経験があります。
セイラ―教授は、人間の不合理な行動には一定のメカニズムや規則性があることを明らかにしました。
これを行動バイアス(偏り)と呼んでいます。
具体的には損失回避行動バイアス、近視眼的行動バイアスなどがあります。
行動経済学は本当におもしろいです。
本日、管理人はヤフーファイナンスのスレッドを読んで、目玉が飛び出すような衝撃を受けました。
ここにも近視眼的行動バイアスにかかった人がいた!
昨年、三菱UFJファイナンシャルグループ株を420円で、44,400株買い、本日630円で売却!
まだ、上がるかもしれないが、そのときはそのとき。さようなら!
値上がり益は、約932万円です。
税額控除(20.315%)しても、わずか数か月で743万円の大勝利とは見事です!
でも考えてみると、この人の行動は本当に正しいのでしょうか?
近視眼的行動バイアスにかかっていないのかどうか考えてみます。
もちろん株式投資の正解は、未来に行かなければ誰もわかりません!
1 損失回避行動バイアスとは
2020年10月、日本証券業協会(JSDA)では、「2020年個人投資家の証券投資に関する意識調査投資に対する調査」を行いました。
お金を必ずもらえるとの前提で、(1)今10万円をもらう、(2)1年後に11万円をもらう、という2つの選択があれば、どちらを選ぶかの設問です。
1年待つことにはなりますが、確実に1年後1万円増えるのであれば、結果的に(2)を選んだ方がより多くのお金を得ることができるはずです。
(1)を選ぶ人なんているの?
そう疑問に思った人は、近視眼的行動バイアスにかかっていない人です。
(1)10万円<(2)11万円
至極当たり前です。
しかし、結果は意外な結果となります。
(1)今、10万円 37.5%
(2)1年後11万円 48.35%
もらえるものならさっさともらいたいという人と、1年後にもらう人との差はほとんどありません。
「2020年個人投資家の証券投資に関する意識調査投資に対する調査」
傾向としては、すぐに10万円もらいたい人は男性の方が女性よりも10%以上も多くなります。
また、70歳以上の男性は、すぐにもらいたい人は過半数(51.9%)となります。
2 或るヤフーファイナンススレッドの場合
さて、冒頭で紹介した三菱UFJフィナンシャル・グループ株を数か月で売却して、743万円もの大勝利をおさめた人について、近視眼的行動バイアスを考えてみます。
この方、投資額がすごすぎます。
44,400株も投資しています。
いくら420円でも1,864万8,000円も注ぎ込んでいます。
ところが、三菱UFJフィナンシャル・グループ株は高配当増配株として名が知られています。
2021年度の配当は、25円から27円に増配しました!
たかが2円と言えど、増配率は8%です!
三菱UFJフィナンシャル・グループ株は、必ずしも高配当連続増配株ではありません。
しかし、2011年から一度も昨年度比から下がってはいません。
現在において、もっとも高配当株が多いのは、銀行金融株です。
三菱UFJフィナンシャル・グループ株は、銀行金融株のキングオブ高配当株です。
44,400株も持っていれば、年間配当金は
1,198,800円!
( ゚Д゚)
税引き後でも、95万7,421円です。
743万円を超えるためには、7.76年かかります。
8年後からは売却益を超えていきます。
10年保有すれば、957万2,100円!
20年保有すれば、1,914万4,200円!
しかも、これまでの実績では3年に一度は必ず配当金を上げてきます。
また、株価はこれまでどんなに下落したとしても380円です。
最悪380円に下落したとしても、損失額は177万6,000円です。
380円ともなれば、配当利回りは7.10%となり、ここまで下がるとは到底考えられません。
つまり、すぐに10万円よりは1年後11万円と同じように、売却しないで長期保有するのが正解譜となります。
もっともこの方が、得られた軍資金でもっとキャピタルゲインを狙っていくという方法も選択肢としては間違いではないと思います。
しかし、株式投資を行う個人投資家の6割から9割が最後には損失を抱えるという世界において、何にでもキャピタルゲイン狙いは、相当にリスクが高いと思います。
3 近視眼的行動バイアスは常に起きている
近視眼的行動バイアスは、特に公的年金の受給年齢で顕著に現れます。
年金繰り上げした人(65歳未満で受給)
男性 8.0%
女性 14.8%
年金繰り下げした人(65歳を超えて受給)
男性 1.5%
女性 1.1%
年金繰り上げ受給した場合、減額率が適用され、一生変更することはできません。
人生いつまで長生きできるかわからないから減額でももらった方がいいという人が、8.0%から14.5%も存在するとは驚きです。
自分の寿命が何歳なのかわかる人は誰もいません。
だからといって、減額率-42%でももらった方がいいと繰り上げ返済を選び、90歳、100歳と長生きしたら、莫大な年金総額を損することになりかねません。
国はなんという罪な選択を国民に求めるのでしょう。

近視眼的バイアスを強く持つ人が増えれば増えるほど、年金財政が少しでも楽になるのは火を見るよりも明らかです。
繰り下げ受給も同じです。
70歳からの受給だと最大+42%の年金受給となります。
さらに75歳繰り下げ受給も可能となります!
がまんして繰り下げ受給を目指しても、75歳以下でなくなってしまえば、国の年金支払額は0円となってしまいます。
これではトンチン保険と同じです。
このように行動経済学は人の判断を誤った方に陥れる怖ろしい側面もあります。
正しい金融リテラシーを持っていないと大損してしまうことが少なくありません。
4 まとめ
衝撃の目からうろこの近視眼的行動バイアスについて、株式投資と年金受給繰り上げ返済を実例に考えてみました。
目先のことにとらわれると得てして損してしまうことがあります。
損をしない人生を歩むには、正しいリテラシーを学ぶことが大切です。
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たくさんの失敗を重ねてきました。
そんな失敗を当サイトで少しでも回避して、正しい金融リテラシーを学び取って、豊かな人生を過ごしていただければ幸いです。

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それではまた